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「あれは最悪の選択だった」米メディアが指摘のWBC侍ジャパンの敗戦“決定的瞬間”…「選出可能な投手はいたはずだが…」ライバル国も訝しむ“球速問題”
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/19 12:08
WBC決勝ラウンドの準々決勝でベネズエラに敗れ、呆然とする日本ベンチ。ライバルでもあった米国メディアはその敗戦をどうみたのか
そして、その差が試合の中で露骨に表れた。前述のように6回、伊藤がアブレイユに浴びた一発は、現代のメジャー基準では“打ち頃”とされる球速とコースだ。その1球が、試合の流れを決定づけた。球速はすべてではない。だが、この大会においては、明確な差として突きつけられた。
「勝利への設計図ではなく、敗北へのレシピ」
前出『ニューヨーク・ポスト』は、《日本が進化を試みながらも、最も重要な部分――投手力の強化――に手をつけられなかった》と指摘する。
《大谷、佐々木、千賀滉大の不在という事情はあったものの、チームに選出可能だった150キロ後半を投げる投手は、才木浩人、杉山一樹、山下舜平大など他にも存在していた。それでも侍ジャパンは、制球型投手を中心にブルペンを構成した。結果は明白だった》
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そして、こう切り捨てる。
《これは勝利への設計図ではない。敗北へのレシピだった》
今回の侍ジャパンについて、厳しい評価を下した米メディアもある。だが、その本質は「日本は弱くなった」というものではない。むしろ逆だ。
《日本は何をすべきかを見失っていた》
『ニューヨーク・ポスト』がそう結んだ一方で、その対極にあったのがベネズエラだった。明確なスタイルを貫いたチームが、頂点に立った。
敗戦から何を学ぶのか。それが問われるのはこれからだ。進化は必要だ。しかし、模倣では意味がない。かつて世界を制した日本野球の強みは、確かに存在していた。それをどう再定義し、現代の野球と融合させるのか。
今回のWBCは、その問いを突きつけた大会だった。そして、その答えをどう導き出すのか――それこそが、侍ジャパンに突きつけられた最大の課題なのかもしれない。

