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“憧れ”の朝倉未来を超えられるか?「モノが違う」秋元強真20歳の衝撃…元Bellator王者を“圧巻TKO”「この先の10年、俺がRIZINを背負っていくんで」
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布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2026/03/15 17:00
秋元強真の強烈なパンチで崩れ落ちるパッチー・ミックス。RIZINの未来を担う逸材が、世界レベルの強豪を圧倒した
「ミックスに何もさせなかった」秋元強真の衝撃
しかし、1ラウンドから秋元は我々の想像をはるかに超える試合をやってのけた。開始早々、ミックスは組みにくるが、秋元は当たり前のように突き放す。
「おやっ!?」
新鮮な驚きがあった。組みが強い相手のコンタクトを切るには、それなりのスキルとパワーが必要だ。
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決戦前に行っていた青木真也とのグラップリングの特訓が実を結んだのだろうか。グラップリングの技術は一朝一夕に身につくものではないので、青木の“トッピング”によってJAPAN TOP TEAMでの練習の積み重ねが一気に花開いたという見方もできる。
第2の「おやっ!?」はお互いジャブを繰り出す展開から秋元が次第にプレスを強め、ミックスに的確なパンチを当てていく展開が続いたことだ。組みのスキルが上達したからこそ、今まで以上に得意の打撃で勝負できるようになったのか。「組まれても大丈夫」という自信が、ストライカーとしての能力をさらに引き出す礎になったということだ。
秋元のパンチの軌道が捉えづらいのか、ミックスの視界にその拳ははっきりと映り込んでいないようにも見えた。
衝撃は続く。4分過ぎ、秋元が左ストレートを立て続けにヒットさせ、ミックスをダウンさせる。そのままがぶって相手をコントロールすると、秋元は頭部にヒザ蹴りとサッカーボールキック。その後ミックスが立ち上がっても、秋元は同様の追撃を繰り返してレフェリーストップ寸前まで追い込んだ。終了間際にミックスが秋元のコスチュームを掴み減点を科せられたのは、それだけ必死だったということの証左だろう。
続く2ラウンド、もうミックスに試合の流れを変える余力は残されていなかった。再び組みを狙うが、簡単に切られ秋元の左ストレートの3連打を浴びてしまう。ダウンしてサッカーボールキックを浴びたところで、レフェリーは試合を止めた。
試合前の予想からすれば、ビッグアップセット。だが、試合内容から振り返ってみると、大どんでん返しというよりもミックスに何もさせなかった秋元の完勝だった。一方のミックスはプロキャリア24戦目にして初めてフィニッシュされた試合となってしまった。
試合後、筆者は昨年の秋元の試合を見て感じた「おやっ!?」を思い出した。11月3日、神戸で行われた萩原京平戦。試合開始早々激しい打ち合いとなり両者とも鼻血を出す激闘に。最後は2ラウンド、秋元がパウンドの連打によって萩原を仕留めたが、クールにも見える19歳のすさまじい気迫から格闘技が本来持つ“人々の心を動かす熱”を感じずにはいられなかった。あの熱は伏線として今回のミックス戦につながっていたのか。



