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将棋PRESSBACK NUMBER
藤井聡太23歳“不調説”は真実なのか「うーん、それは何とも…」「永瀬九段はさらに先まで」現役トップ棋士・稲葉陽が間近で見た光景
text by

大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph byKeiji Ishikawa
posted2026/03/08 06:01
“二冠失冠”の可能性と不調説が取りざたされている藤井聡太六冠。トップ棋士の見立ては?
「藤井王将は少し前に、『面白い将棋を指したい』というコメントを出されていましたよね。昨年から、2手目に△3四歩と突いて雁木を採用することもあります。以前は定跡形だと同じ形を用いて突き詰めた指し方をすることが多かったと思います。例えば先手の角換わり早繰り銀に対しては、後手の相早繰り銀で対抗することがほとんどでしたよね。でも昨年の竜王戦七番勝負では、佐々木勇気八段の先手早繰り銀に対して後手で腰掛け銀を用いて、結果的に相手の意表を突いていました。芸域を広げることを意識されている印象があります」
――藤井王将の不調説も一部では囁かれていますが、どう思われますか?
「うーん、それは何とも言えません。敗れた王将戦でもめちゃくちゃ悪い手を指してるわけではありませんから。それに今期はJT杯、朝日杯で優勝されましたし、銀河戦は準優勝と、早指し棋戦では相変わらずの強さを見せています。早指しで結果が出ているということは、少なくとも中、終盤のキレは全く衰えていないことになります。ただ昨年、失冠した王座戦では伊藤匠二冠の先手相掛かり、それから今回の王将戦での永瀬九段の角換わりに対しては序盤で立ち遅れることもあって、そうなるといくら藤井王将といえども中、終盤力だけでタイトル戦の長い持ち時間を乗り切るのは厳しいような気がします」
両者から室温を下げてほしいという要望が
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――最近の永瀬九段の将棋に対する印象は?
「無冠でありながら、この1年くらいは藤井王将以外にはずっと安定的に勝っています。以前は藤井王将にあまり勝ててなかったのですが、今期の王将戦で白星が先行して、より自信を深めているように映ります」
――第4局の見どころは?
「後手の永瀬九段の作戦です。藤井王将は先手だと角換わりを志向されることが多いので、永瀬九段が受けて立つのか、それとも外して違う作戦を用いるのかが注目でした」
――今回、稲葉八段はタイトル戦の立会人を初めて務められました。検分などで印象に残ったことはありますか?

