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藤井聡太23歳“不調説”は真実なのか「うーん、それは何とも…」「永瀬九段はさらに先まで」現役トップ棋士・稲葉陽が間近で見た光景
posted2026/03/08 06:01
“二冠失冠”の可能性と不調説が取りざたされている藤井聡太六冠。トップ棋士の見立ては?
text by

大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph by
Keiji Ishikawa
今期の王将戦、藤井聡太王将(23歳)が永瀬拓矢九段(33歳)の挑戦を受けている中で、1勝3敗と追い込まれている。藤井王将は増田康宏八段(28歳)相手に1勝2敗となっている棋王戦を含めて“四冠陥落”の危機を迎えているが……トップ棋士の観点で、対局内容はどのように見えているのか。王将戦第4局の立会人を務め、順位戦A級8期の実績を持つ稲葉陽八段に話を聞いた。〈全2回〉
開幕局、永瀬が勝てたのが大きかった理由
――藤井聡太王将に永瀬拓矢九段が挑戦するALSOK杯王将戦七番勝負の第4局の立会人を務められた稲葉陽八段に解説をお願いします。まず第3局までの感想を教えてください。
「開幕戦を永瀬九段が制したことが非常に大きかったと思います。まず開幕戦は振り駒で、永瀬九段が先手番を得ました。以前から永瀬九段は『開幕戦では後手番が欲しい』と話していましたよね」
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――はい。普段から少し不利とされる後手の作戦をどうするか考えることが多いので、先後がどうなるかわからない開幕戦は後手がいいそうです。あと第2局の先手番が確定するので、せっかくの先手番は100%の準備で迎えたいということのようです。
「そういう意味で開幕戦の先手番は不本意だったかもしれませんが、永瀬九段が得意戦法の角換わりに誘導し、藤井王将が受けて立ちました。序盤から先手がまずまずの展開になってそのまま終盤に突入しましたが、藤井王将が逆転に成功した瞬間があったんです。でもそこから永瀬九段が形勢をひっくり返して勝ったことが非常に大きかった。これまでは逆転された後は盛り返せずに敗れてしまい、シリーズも押される展開が多かったと思います。でも今期はいきなり違いを見せましたからね」
藤井聡太は“芸域を広げることを意識”している?
――藤井王将は棋王戦五番勝負も同時並行で戦っています。こちらの開幕戦も挑戦者の増田康宏八段に敗れました。藤井王将が2つのタイトル戦でいずれも相手にリードされるのは初めてですが、最近の藤井将棋の印象は?

