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「それで本当にプロ野球選手か?」台湾で優勝させた“日本人監督”…元阪神・平野恵一が語る“台湾野球の今”「ポテンシャルすごい」「観客動員300万人突破」 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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posted2026/03/06 11:03

「それで本当にプロ野球選手か?」台湾で優勝させた“日本人監督”…元阪神・平野恵一が語る“台湾野球の今”「ポテンシャルすごい」「観客動員300万人突破」<Number Web> photograph by Kotaro Tajiri

台湾プロ野球・中信兄弟で監督を務める平野恵一

「それでプロか?」平野が台湾で説いたこと

 だから言いました。プロとは何か――。君たちは24時間、支えてくれるファンの人たちに見られている。試合に向けた努力をしていないとか、準備ができていない人を応援するか? 野球はただでさえ失敗の多いスポーツ。今日だけ良い結果を出してもいいわけじゃない。明日くるお客さんにも良い姿を見てもらわないといけない。そのためにグラウンドに出るまで何が大切か、それを考えてほしいと」

 1人の野球選手としてはもちろん、1人の人間として応援したくなる人材となるか。それをさらに説いた。

「練習しているとスタンドにボールが飛んでいきます。毎回それを球場の係員の人が拾ってくれていました。ある時、確認したのです。『これってお仕事ですか?』と。そうしたら、なんで私が毎回拾わないといけないのかと言う。米国のメジャーあたりだとボール回収を仕事にする方もいるので、台湾でもそうなのかと思っていました。それで選手たちに言いました。『ボールが客席に落ちたままで、もし雨に濡れてダメになったら君たちが弁償するのか?』。また、ペットボトルの水も一口飲んで捨ててしまう選手もいました。『道具や水も、球団が君たちをサポートするために用意をしたもの。それはファンが見に来てくれたお金で買ったものでもある。そんな態度で支えてくれるファンや組織は増えるのか? ダメな時だって拍手をもらっているけど、それって本当の拍手なのか? 本当のプロなのか?』と問うたのです」

優勝監督に…「台湾球界のために」

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 また、平野は選手たちだけでなく、球団にも注文をつけた。

「球場の演出について話もしました。ただ勝つのを目指すのではなく、最高のエンターテイメントを提供するのが球団の役割。また、週末の練習日ならばファンに公開したり。見られるって、やっぱり人を成長させるんです。環境を作り上げて、選手に自覚を持たせる。そこも注力しました」

 平野は中信兄弟の監督に就任した1年目の2024年、球団史上最多を更新する年間70勝をあげ後期シーズンで優勝。前年は5チーム中4位に終わったチームを再建すると、台湾シリーズも制して日本人として4人目のCPBL優勝監督となった。

【次ページ】 プロ発足わずか35年…台湾が強くなるまで

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