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カーリング女子フォルティウスへの“辛辣すぎな声”だけでなく…「メガネ先輩を出して」じつは韓国代表にもあった誹謗中傷「特有の代表選考」で生じる歪み
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キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byJMPA
posted2026/02/19 17:00
(左)韓国で絶大な人気を誇る“メガネ先輩”ことキム・ウンジョン。今大会は現地解説者として参加している。 (右)日韓戦で注目を集めたカーリング女子日本代表・フォルティウスのスキップ吉村紗也香
一方、華やかな話題の裏側には、日韓両国が抱える「代表選考」の難しさと、それに伴う歪んだ熱狂も存在する。
日本では今大会、絶対女王だったロコ・ソラーレを破って代表権をつかんだフォルティウスに対し、一部の心ない層から「ロコなら勝てたはずだ」といった誹謗中傷が飛ぶ事態が起きた。メダルを期待されながらも、残り1戦の時点で1勝7敗の最下位という結果が拍車をかけ、辛辣な意見が飛び交っている。
これは韓国でも無縁ではない。
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韓国カーリング界は、かつて“メガネ先輩”ことキム・ウンジョンを擁して平昌五輪で銀メダルを獲得した「チーム・キム」が連盟幹部からのパワハラ問題を告発し、大騒動に発展。競技継続すら危ぶまれた時期があった。
また、絶大な人気を誇るチーム・キムが今回の代表選考で国内予選(韓国カーリング選手権)で4位に終わり、3大会連続の五輪出場を逃した時は、出場する京畿道庁に対して「チーム・キムほど華がない」「メガネ先輩を出して」「本当に勝てるのか」といった厳しい批判が飛び交った。
「チーム」として代表を選ぶカーリング特有のシステムは、結束力を生む一方で、一度歯車が狂うと国民的なバッシングの標的になりやすい。ロコ・ソラーレが今大会に出られなかった理由も、キム・ウンジョンが予選で敗れた理由も、ひとえに国内のレベルが底上げされ、“一強時代”が終わったからに他ならない。その過酷な競争を勝ち抜いたチームに対して、本来は最大のリスペクトが送られるべきだろう。
ただ、8年前の「メガネ先輩」たちが成し遂げられなかった、韓国カーリング史上初の金メダルを獲得すれば、そういった声は一掃されるだろう。18日に世界ランキング4位のスウェーデンに勝利した韓国は、19日夜(日本時間)に準決勝進出をかけて同じ5勝3敗のカナダと戦う。
解説者として現地入りする“メガネ先輩”が見守る前で快挙を成し遂げることができるか。氷上の熱戦は、いよいよクライマックスへ向かう。

