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フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
“失速”マリニンと“踏みとどまった”鍵山優真の違いは? 本田武史が指摘「やるべきことをやった人」が勝利したなかで「一番の成功者」はあの選手
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/02/17 11:03
マリニンの失速が話題をさらったフィギュア男子だが、鍵山優真と佐藤駿がメダルに届いた理由は何だったのか、本田武史氏が分析した
今大会「一番の成功者」は……?
自分のスケートをきっちりと出し切ったという点でいえば、SP9位という厳しい位置から逆転で銅メダルを獲得した佐藤駿は「一番の成功者」だと本田さんは評価する。
フリーでは高難度のジャンプを次々と成功させ、スピン、ステップでも高評価。最後まで自分のスケートを信じ、『火の鳥』で静かに燃える強さを表現した。
「やるべきことをやれば、結果はついてくるということを佐藤選手が証明してくれたと思います。まさに今大会では一番の成功者です」
シャイドロフの勝因
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マリニンの崩壊、鍵山の粘り、佐藤の逆襲——。
そのすべてを飲み込み、頂点に立った伏兵がカザフスタン史上初のフィギュアスケート金メダリストとなったミハイル・シャイドロフだ。男子フィギュアでのメダルは、同国の英雄、デニス・テンさん以来となる。
マリニンと鍵山の対決構図を思い描いていた一般ファンからすると、突然出現した伏兵のようにも見えるが、ジュニア時代から国際大会に出場し、昨年の世界選手権では銀メダルも獲得している実力者。4回転ジャンプの安定性には定評がある。
「フリーの4本目に跳んだ4回転フリップは軽やかで、私も一瞬3回転と見間違えたほどです。4回転ルッツこそステップアウトしてしまいましたが、残りのジャンプは見事に決めていて、スピンやステップも1つ以外はレベル4でした。
なかでも彼の代名詞とも言える3回転半-シングルオイラー-4回転サルコウの超高難度のコンビネーションはとても質のいいジャンプでした。冒頭にこのジャンプを決めて一気にプログラムが締まりましたね。自分が一番の武器としているものを最初に決めたことで、その後の演技にもつながりました」

