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フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
“失速”マリニンと“踏みとどまった”鍵山優真の違いは? 本田武史が指摘「やるべきことをやった人」が勝利したなかで「一番の成功者」はあの選手
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/02/17 11:03
マリニンの失速が話題をさらったフィギュア男子だが、鍵山優真と佐藤駿がメダルに届いた理由は何だったのか、本田武史氏が分析した
オリンピックにピークを持ってこられたのは、彼のコーチを務める94年リレハンメル五輪の金メダリスト、アレクセイ・ウルマノフの存在も「プラスになっているはず」だという。「演技構成点で伸び悩んでいるときは、途中でプログラムを変更するなど柔軟性もある」。さまざまな要素を考え合わせると、実は金を取るべくして取ったといえるのかもしれない。
普段と異なる状況で勝てる選手とは?
最終グループは鍵山やマリニン以外にも、ダニエル・グラッスル(イタリア)、アダム・シャオイムファ(フランス)などに、ジャンプでミスが相次いだ。少なからず、そういった緊張感の連鎖もあっただろうか。
また今大会では、男子シングルはSPが団体戦の2日後に行われ、中2日でフリーが実施された。世界選手権やグランプリシリーズ、全日本選手権では通常、中1日、または連日で実施されることを考えると、異例のスケジュールといえる。
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「これまで経験したことのない日程で滑るのは、選手たちにとっては難しかったと思います。しかもそれをいきなりオリンピックという舞台でやらなければいけない。
同じ会場でショートトラックも実施されているため、練習も本番前ギリギリだったと聞いています。そこにオリンピック特有の緊張感や空気感もあるわけですからね。ただ、オリンピックはそういうものだと理解して挑むしかないのかなと思いますね」
オリンピックの大舞台で勝ちたいという思いは誰もが同じだ。しかし、かつて世界選手権で連覇している選手がオリンピックだけ金メダルを獲得できなかったように、4年に1度の大会にピークをあわせるのは至難の業とも言える。大舞台で力が発揮できるよう逆算し、準備を整えることは当然の前提としてあるなか、そこで「いつも通りできる人」こそが、勝利を手繰り寄せられるのだと本田さんは言う。

