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オリンピックへの道BACK NUMBER
高梨沙羅「我慢してた涙が止まらくなって…」混合団体に“出場しなかった重要人物”伊藤有希の涙の理由…4大会連続の五輪スキージャンプで芽生えた“深い絆”
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2026/02/17 11:01
混合団体を終えた高梨沙羅。堪えていた涙を流させたのは、伊藤有希とのハグだった
「『お疲れ様、よく頑張ったね』とハグしてくれながら言ってくれて。それまで我慢してたんですけど、涙が止まらなくなってしまいました。4年前あったことからずっと変わらずいてくれたことにも感謝ですし、ずっと応援し続けてくれた力とか存在とか支えに、感謝の気持ちというか、それ以上の言葉があるのなら表現したいぐらい」
一方の伊藤は、こう語っている。
「4年前のオリンピックも一緒にいましたし、その後の4年間も一緒にいて、彼女の苦しんでいる姿だったり、いろんな思いをみてきました」
日本の女子ジャンプを牽引してきた仲間
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高梨は4年間、あの日を忘れることなく、「ジャンプで返したい、恩返しを」「感謝を伝えたい」と歩んできた。伊藤はその姿に、自身を投影する部分もあっただろう。何よりも、日本の女子ジャンプをともに引っ張ってきたチームメイトへの思いがあった。
いつも我がことのように喜び、我がこととして心配する。ジャンプに対する気持ち、ジャンプを通じて成し遂げたいことを共有する思いと、そのうえに共有してきた時間があればこそだった。
そしてそこに、伊藤の人柄もまた、重なっている。
最終種目のラージヒルを、伊藤は14位、高梨は16位で終えた。
「スキージャンプ競技は2本そろえるスポーツなので、1本目の得点が響いてしまったなっていう悔しい気持ちです」
と高梨は語りつつ、大会を振り返った。
「北京を終えた後、またこの舞台に立てるなんて想像もできていませんでした。自分の力というより支えていただいてこの場に立たせてもらっている感覚が強くて、支えていただいたものを返せるようなパフォーマンスができなかったのはすごく悔しいです。その悔しさをバネに、また次へつなげていけたらと思います。どこまでいっても支えていただいてばかりでまだ返せてないので。まだまだ頑張り続けたいと思います」

