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オリンピックへの道BACK NUMBER
高梨沙羅「我慢してた涙が止まらくなって…」混合団体に“出場しなかった重要人物”伊藤有希の涙の理由…4大会連続の五輪スキージャンプで芽生えた“深い絆”
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2026/02/17 11:01
混合団体を終えた高梨沙羅。堪えていた涙を流させたのは、伊藤有希とのハグだった
失格となった高梨を、懸命に支えたのも伊藤だった
迎えた2018年平昌五輪。だが、伊藤は9位に終わった。上位の選手の中でただ一人、2本ともによくない風にあたったことがその結果をもたらした。鷲沢徹チーフコーチ(当時)が語った言葉が象徴的だ。
「4年間努力してきたのに、伊藤だけが追い風だったのは切ないです」
伊藤は試合後、涙ながらに語った。
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「たくさんの支えてくれた人たちがいました。喜ぶ顔が見たくていい結果をと思っていたのに」
一方の高梨は銅メダルを獲得。真っ先に祝福したのは、伊藤だった。
高梨を抱きかかえて祝福する姿は、無念も失意も、微塵も感じさせなかった。
続く2022年北京五輪では、混合団体で高梨の1本目のジャンプがスーツの規定違反で失格に。日本は最終的に4位で試合を終えた。そこでも、一緒に試合に出場していた伊藤が、自らのウインドブレーカーで高梨を包み、懸命に支える姿があった。
伊藤とのハグで「我慢してた涙が止まらくなって…」
あれから4年。ミラノ・コルティナ五輪の混合団体で日本は銅メダル。高梨は4年前の思いを晴らした。
日本のメダルが確定したあと、高梨のもとに駆け寄った人物がいた。メンバーに入っていなかった伊藤だった。
そして、ぎゅっと抱きしめて祝福した。
その場面を高梨は、こう振り返っている。

