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平野歩夢の“骨折出場”に韓国もびっくり「なぜ命を削るような挑戦を?」スポーツより“受験”を優先する韓国に刺さった“アユム”の哲学
posted2026/02/16 11:20
4大会連続のメダル獲得とはならなかったが、負傷を感じさせない滑りを披露した平野歩夢(27歳)
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キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
Nanae Suzuki/JMPA
ミラノ・コルティナ冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝で、前回王者の平野歩夢は86.50点の7位に終わり、4大会連続のメダルを逃した。しかし、この順位の裏側に隠されたドラマに、お隣の韓国でも日本国内同様に熱い視線を送り、驚きを持って報じていた。
韓国メディア『スポーツ朝鮮』は、決勝の舞台で7位に沈んだ平野に対し、その滑りには満身創痍の彼にしか出せない「凄み」があったと強調していた。
「本来なら1620度(4回転半)を飛ぶ予定だったが、負傷のせいでそのルーティンを練習する時間がなかった。激しい回転は激痛を誘発する。それでも彼はリスクを承知で、今持てるすべての力を振り絞った」
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同紙はさらに、現在のコンディションでの出場がいかに危険であったかについても触れ、「万が一、再び大きな衝撃を受けていれば、本当に生命が危うかった可能性さえあった」と伝えていた。
ケガのリスクを抱え、命がけで試合に出ていたことを韓国メディアも知らないわけがなかった。
股関節の骨折、顔面から出血も
今年1月17日のワールドカップ第5戦で着地で転倒した平野は、顔面と手首、そして下半身を雪面に叩きつけた。ボードはしなり、顔からは血が流れる惨状。精密検査の結果、股関節や鼻骨など複数箇所の骨折と打撲が判明した。金メダル候補を襲った開幕わずか3週間前の悲劇は世界中の誰もが「五輪絶望」を確信したほどだった。
それだけに、平野は奇跡的なカムバックには驚きの声が上がっていた。

