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「あまり言いたくないですが…」小林陵侑“まさかの敗戦”を生んだ最大の要因「よくない風を受けていた」 船木和喜が解説するジャンプ男子“波乱の理由”
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto / JMPA
posted2026/02/14 11:01
前回金メダリスト・小林陵侑のNH敗戦を、船木和喜はどう見るか?
「二階堂選手の1本目も、スキー板がぶれていたんですね。左足が空中でねじれて、右足がずれている。斜め上から来る、いちばん不利な風に当たってしまっていたのだと思います。その中で強引にでも、全体で6位のところまで持っていけたことが大きかった」
加えて、飛型点で全体でも3番目の得点を得た。テレマークをしっかり2本ともに決めたことが僅差の勝負の中で、グレゴア・デシュバンデン(スイス)とともに銅メダルをつかむ要因となった。
「あまり言いたくないですが…」小林の敗戦はナゼ?
一方で前評判の高かった、ワールドカップ総合1位のプレブツは6位、小林は8位と、表彰台に届かなかった。
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小林は2022年北京五輪のノーマルヒルで金メダル、ラージヒルでも銀メダルを獲得し、今シーズンのワールドカップでもトップを争う位置で戦ってきた。
だから、大会前にはどうしても、北京に続く連覇、そして今大会でのラージヒルとの2冠という大きな期待が寄せられることになった。その中での6位という成績に、本調子ではなかったとみる向きもないわけではない。
だが船木は、「失敗のジャンプはなかった」と言う。
「まず、選手は全員、ノーマルヒルが嫌いです(笑)。ラージヒルと比べれば、距離が出ませんし、その分、空中にいる時間が短いからです。空中が長いと、いろいろな技術をいかしながら、1つの失敗を修正したり、距離を伸ばしていくことができます。でもノーマルヒルは、ラージヒルと比べるとその余地が小さいわけです。しかもノーマルヒルは、今シーズンの場合、ワールドカップでは1戦しか行っていません。一発勝負みたいな色合いが強いわけです。
二階堂選手も含め、小林選手、プレブツ選手は、技術が高くて空中で修正するなど対応能力が高い選手ですが、追い風の中でもよくない風にあたってしまった上に、ノーマルヒルだから持っている技術をいかすことも難しかった。そこをねじふせた二階堂選手は見事でしたが、小林選手、そしてプレブツ選手にも失敗と言えるジャンプはなかった。風のせいにしてはいけないかもしれないし、あまり言いたくはないですが、でも風という要素はやはり大きくて、しょうがない結果だと思います。特に小林選手は、追い風の中でもよくない風を受けていたんじゃないかと」

