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「指が折れても赤いベルトを守る」上谷沙弥の覚悟…スターダム“まさかのアクシデント”現地で何が起きていた? 勝った上谷が発言「絶対もう1回やらせろ」
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2026/02/12 17:06
上谷沙弥は右手の指を脱臼したが、スターライト・キッドに勝って赤いベルト9度目の防衛に成功した。2月7日、大阪府立体育会館第1競技場
キッドが言う。
「プロレスは何が起こるかわからない。上谷の指が脱臼してからたたみかけたけれど、上谷は強かった。でも正直、あんな形で私がベルト取っても、スターダム、そしてプロレス界の顔になれなかったと思う。全力で戦ったけれど、届かなかった。私のキャリア10年とワンダーチャンピオンとして積み上げてきたものがあっても、上谷という存在とワールド・オブ・スターダムにはまだ届かないんだ。まだまだこれからなんだと痛感しました。あそこであんな形になってストップして再開したけれど、次は指1本じゃなく、足も折ってやるよ。プロレス界の顔も真のグランドスラムも決してあきらめない。私は欲深いホワイトタイガーだから、絶対また上谷の前に立ってやる。完治したらまたやろう」
脱臼という思わぬ事態に直面したが、少し前に聞いたキッドの言葉を借りるなら、まだ、上谷に運があるということなのだろう。
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上谷は次のステップに進む。
玖麗さやかの挑戦志願に「無理だよ、オマエじゃ」
そんな上谷の前に現れたのは、意外にも玖麗さやかだった。
「上谷沙弥。あなたが奪ってきたすべてを私が奪う。私がスターダムの一番星になる。だから、この赤いベルトに挑戦させろ」
そう話す玖麗の表情は厳しい。
「はあ、オマエ何言ってんの。去年さ、1回挑戦して負けたの覚えてる? もしかしたらどっかの誰かさんに似ておつむ弱い? 覚えてないの? 無理だよ、オマエじゃ。私のすべてを奪えない。帰れ」
玖麗はきっぱりと言った。
「あなたの呪いを解くのは私です」
上谷は相手にしなかった。
「他にいないの? 沙弥様は強いやつとやりたいんだよね。この赤いベルト、オマエらを東京ドームに連れて行くまで渡せねえんだよ。だから、その日まで、オマエら沙弥様から目を離すなよ」
「誰だ? アイツ出てきたよな。記憶ないわ。玖麗さやか? アイツ、去年負けたの覚えてる? どんな気持ちでこの試合の後に出てきたのかわかんないけど、やるわけねえだろ。舐めてんのかアイツ。まだまだ沙弥様が見せたい悪夢ってのがいっぱいあるから」
上谷は玖麗とはやらないといったが、玖麗はどんな条件を突きつけられても上谷に向かっていくだろう。昨年、中野がそうしたように。


