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「指が折れても赤いベルトを守る」上谷沙弥の覚悟…スターダム“まさかのアクシデント”現地で何が起きていた? 勝った上谷が発言「絶対もう1回やらせろ」
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原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2026/02/12 17:06
上谷沙弥は右手の指を脱臼したが、スターライト・キッドに勝って赤いベルト9度目の防衛に成功した。2月7日、大阪府立体育会館第1競技場
キッドはコーナーで上谷の両腕を取り、雪崩式のドライバーまで繰り出した。さらにフィニッシュへとタイガースープレックス、スタースープレックスとたたみかけた。それでも上谷はそれをはねのけた。
負傷した上谷の劣勢かと思われたが、上谷には狂気性と想像以上のたくましさが宿っていた。そして、アドレナリンが痛さを忘れさせていたのかもしれない。上谷はコーナーから驚愕の雪崩式ドライバー、スタークラッシャーを繰り出した。とどめは旋回式のスタークラッシャー、キッドはついに3カウントを聞いてしまった。
「指が折れても赤いベルトを守る」上谷沙弥の覚悟
キッドの夢はかなわなかった。
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「そんなアクシデントで上谷に勝っても、私はまったくうれしくないんだよ。それでもここまで強いのが上谷だよな。ああ、知っているよ。私は一番、上谷への執着心があると思うから。絶対また、あんたの前に立ってやるから、待ってろ」
上谷は27分26秒の激闘で意識は飛んでいたというが、少し冷静さを取り戻していた。上谷はキッドに語りかけた。
「オマエさ、途中で私がケガして、赤いベルトを巻けると思った? 沙弥様ね、この赤いベルト、中途半端な気持ちで巻いていないから。指が1本2本折れようとも、沙弥様が絶対守るつもりでいたから。何が何でもこのベルトを守るって。これが赤いベルトのチャンピオンだよ。一瞬でも、もしかしたら無理だと思った自分が情けないわ。でも、赤いベルトにかける気持ちは誰にも負けないから。今ここに立っているのはこの私だ!」
「ああ、途中、指を脱臼してどうなるかと思ったけど、今間違いなく赤いベルトは私の腰にある。この赤いベルトは生半可な気持ちで防衛してないから。この約1年間どんな気持ちで守ってきたか、スターダムの先頭を走ってきたか。こんなところで終わらせるわけないだろう。私はプロレスラーなんだよ。それにしてもさ、キッド、沙弥様のこと好きだよな。あいつ、上谷、上谷っていつもうるせえんだよ。でも、ここであきらめないのがキッドだよな。こっちから言わせてもらうわ。ちょっと今日まだやり切れてねえから、絶対もう1回この赤いベルトかけてやらせろ」



