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「最初は選手に気を遣ってしまって…」沖縄出身“異色のスキージャンパー”が「実績ゼロ」から代表ヘッドコーチに? ミラノ五輪の躍進を支える「対話術」 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2026/02/16 11:16

「最初は選手に気を遣ってしまって…」沖縄出身“異色のスキージャンパー”が「実績ゼロ」から代表ヘッドコーチに? ミラノ五輪の躍進を支える「対話術」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

女子ノーマルヒルで銅メダルを獲得した丸山希と写真に納まるヘッドコーチの金城芳樹。もともとは沖縄出身という異色の経歴を持つ

「夢にも思わなかった」という突然の要請だった。だが、断る選択肢はなかったという。

「男女で揃ってメダルを取るためには、男子チームを知っていて、男女の連携も取れる金城がいいと思う、と作山ヘッドから強く打診されたんです」

 遠征中にはチームで揃ってジャンプのシミュレーション練習の時間を設けるなど、男子で学んだやり方を踏襲しながら、選手との信頼関係構築に努めてきた。高梨沙羅とも夏のシーズンからマテリアルについて何度も意見を交換してきた。

金城コーチと選手たちの「良い関係性」

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 1月の札幌でのW杯では、丸山希とのこんな場面があった。

 2位で迎えた丸山の2本目、金城は飛び過ぎによるケガのリスクなどを勘案し、自らの判断でゲートを下げるコーチリクエストを出した。しかし、丸山は距離を伸ばしきれず、4位に後退して表彰台を逃す結果となった。

「希、ごめん!」

 選手が引き揚げてくる動線で待っていた金城は、丸山を見つけるとすぐに声をかけていた。それに対して「あれは私(のジャンプが原因)です」と返した丸山の表情もにこやかなもので、両者のいい関係性がうかがえるような場面だった。

「できすぎていると思います」と語っていた自らの人生。

 今大会でもコーチボックスから旗を振り、選手と心をともにして戦った。結果として、目標としていた個人と混合団体でのメダルも達成された。

 七分丈を履いた少年の無謀な一歩は、日本ジャンプ界の輝くメダルへと繋がっていたのだ。

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「最初は七分丈ズボンでゲレンデに…」“雪なし県”沖縄出身の少年が…なぜスキージャンプの代表コーチに?「中学で初めて雪を見て」からの“異色の履歴書”

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