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速いホンダがついに復活! セパンテストでの1452日ぶりのトップタイムが証明する躍進の兆し…HRC首脳も「今年は成果が出ると思う」
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遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2026/02/10 17:02
マレーシア・セパンでの今季初テストで3日間通して好タイムをマークしたジョアン・ミル
それが今回のテストでの最高速に結びつき、この結果を受けたホンダは開幕前のタイテストに向け、車体やエアロパーツなどいくつかのアイテムを準備している。ホンダは昨年、イタリアにビークルダイナミクス(「走る、曲がる、止まる」などの運動性能)に関わるマシンの開発拠点を設け、日本との連携スピードを上げている。昨年は試行錯誤が続いたが、「今年はその成果が出ると思う」と石川氏は語ってくれた。
レース界で常に優勝を争い、チャンピオン争いに加わってきたホンダは、この数年、コンストラクターズランキングでも最下位争いという屈辱を味わってきた。テレビで観戦するファンはホンダがテレビに映らないと嘆き、サーキットで観戦するファンは下位争いをするホンダ勢にがっかりした。それが昨年からやっとテレビに映るようになり、上位グループに加わるようにもなってきた。そして今年の初テストでは、いよいよドゥカティに肉薄するまでになった。
今年も依然としてドゥカティ優勢だが、その勢力図に変化が訪れることは間違いない。石川氏は「まだまだ我々はチャレンジャーだが、目標はドゥカティ。まずは、肩を並べるところまで行きたい」と意気込みを語る。
ライダーからは厳しい評価も
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速いホンダが復活すれば、速いバイクに乗りたいポテンシャルの高いライダーも集まってくる。このオフにはヤマハのエース、ファビオ・クアルタラロがホンダに移籍するのではないかという話題がMotoGP界を賑わせた。
ホンダは今年も2チーム体制。ワークスチームに加え、サテライトチームのLCRには、最年長で昨年1勝を挙げたベテラン、ヨハン・ザルコと昨年のMoto2チャンピオンのディオゴ・モレイラという若手が加わり、注目度も上がっている。
テスト最終日、ホンダワークスのミルはトップから0.866秒差の9番手。マリーニはタイムアタックのタイミングを逃し16番手だったが、異口同音に「自分たちが進化した分、ライバルたちも進化している。その差は、去年とそれほど変わっていない」と厳しい点数をつけた。
しかし、どん底のホンダしか知らないふたりが、ホンダの底力を知る時はそう遠くはないはず。ホンダワークスの優勝が近いことを感じさせる3日間のマレーシアテストだった。

