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フィギュア団体“アメリカの誤算”「マリニンを2回出すしかなかった」選手起用に見えた日本の強烈なプレッシャー…選手たちが明かした“日本チームの舞台裏”
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto / JMPA
posted2026/02/09 17:33
フィギュア団体で銀メダルを獲得した日本チーム
坂本も2回出場の負担を、快く引き受けた
そして日本も、頂点を目指して懸命に戦った。選手の入れ替えを男子にとどめ(アイスダンスは個人戦への出場者がいないため入れ替えられない)、女子は坂本、ペアは三浦/木原を一貫して起用した。
団体戦を3大会連続で経験している坂本は、その中で変化してきたという。
「(2018年平昌は)『出られているだけですごい』みたいな状態で、北京でメダルが獲れてそれが誇らしくて。みんな頑張ればメダルが獲れると気づいて、りくりゅうや(鍵山)優真くんとも『メダルを獲ろう』と話をするようになりました」
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団体戦を大切に考えてきた。だからショートプログラム、フリー両方への出場を打診されたとき、快く引き受けた。
坂本よりも長く、ソチ五輪からずっと団体戦に出てきたのは木原。
「何度もシングルの方に助けられてきたので、次は僕たちがチームを助けられるように、という強い気持ちで臨んでいました」
その言葉の通り、かつてはペアが団体戦の弱点の一つとささやかれていた。そのときの思いも抱えつつ、強い思いがあった。それがショート、フリー両方への出場と、最高の演技を生み出している。
限りなく金メダルに近い、銀メダル
彼らに限らず、それぞれがそれぞれの思いとともに、チームのために、という思いを原動力として力を発揮し、バトンをつないでいった。氷上で体現された演技だけでなく、団体戦には出場のなかった三浦佳生らを含め、声援を送り続けた。それが生み出した、限りなく金メダルに近づいた銀メダルだった。
そしてここから、個人戦が幕を切る。
団体戦での演技は、きっとそれぞれの種目にもつながっていく。
好スタートを切ったフィギュアスケート日本代表は、ここからさらにバトンをつないでいく。

