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「まさか外して賞賛されるとは…」日本人がアメフト“全米学生オールスター”に選出の衝撃…ハワイ大・松澤寛政に起こった「予想外の瞬間」とは?
posted2026/02/10 06:01
米の大学フットボールで最も優秀なキッカーに贈られる「ルー・グローザ賞」の最終候補にも選出された松澤寛政
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北川直樹Naoki Kitagawa
photograph by
ハワイ大学提供
2025年シーズン、ハワイ大学のキッカー・松澤寛政は「25連続フィールドゴール成功」という快進撃を続けていた。これは、長い歴史を誇る同大フットボール部の歴代記録を更新するものだった。
しかし、シーズン最終戦で訪れた更なる記録更新を狙った26本目のキックは失敗に終わった。
レギュラーシーズン最終戦となるワイオミング大戦。松澤は、26連続成功という記録を少なからず意識していたという。
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「これを決めれば記録になるというのはもちろん理解していました」
ここまで25連続成功。すでにハワイ大の歴史に名を刻んでいる記録だ。だが、26本目が決まれば、さらにその記録は伸び、リーグ(NCAA FBS)でも最高記録となる。観客もチームメイトも、そして松澤自身もその瞬間をイメージしていた。
26本目のキックは30ヤード。松澤にとっては簡単な距離だ。シーズンを通じて何度も決めてきた距離。確実に決められるはずだった。
途切れた記録…悔しさの中で感じた成長
しかしその瞬間、何かが狂った。
「準備が不完全な状態で蹴ってしまい、感触で失敗したことがすぐにわかりました。技術的な問題ではなく、単にうまくいかなかった。僕の問題でした」
ボールは外れた。本来なら問題なく決めるべきキック、それを外してしまった。その時、松澤はこう感じたという。
「自分に対する怒りみたいな、もっと上手くできたっていう悔しい思いはもちろんありました。でも、まだ試合の途中だったので、すぐに次の一本を決めるように切り替えて集中はできていたと思います」
「26連続」という数字へのこだわりは、確かにあった。だが、試合はまだ続いている。次のキックに備える必要がある。外れた直後、松澤は即座に気持ちを切り替えた。その精神的な強さこそが、今季の松澤の最大の成長だったのかもしれない。

