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妊娠出産→復帰の吉村紗也香「辛かったけど、辛くなかった」 スキップ不在も解散危機も支え合い…フォルティウスの「カーリングがある豊かな人生」とは
posted2026/02/12 06:02
妊娠・出産を経験したスキップ吉村紗也香を含めて、フォルティウスは「カーリングと豊かな人生」の両立を志向している
text by

石川仁美(Number編集部)Hitomi Ishikawa
photograph by
JIJI PRESS
吉村の出産休養時のサポートとは
ミラノ・コルティナ五輪のカーリング女子日本代表となったフォルティウス。スポンサーがなくなるなどの存続危機を乗り越えて大舞台に立つが――競技だけでなく人生においても充実した日々を過ごそうとしている。
2023年12月、スキップの吉村紗也香が男児を出産し、休養した時のこと。チームは全力でサポートした。吉村不在の間は、22年に加入した小谷優奈がスキップを担った。
女性アスリートにとって、妊娠、出産は選手生命を左右するイベントである。人生において喜ぶべきタイミングで競技をあきらめなくてはいけないのは――とてもさみしいことだ。一方でカーリングは、競技人生が長く、プレーの技術だけではなく、人としての経験の積み重ねが大きく反映されるスポーツである。子育てとの両立に悩む選手も多い中、吉村はフォルティウスとともに人生のターニングポイントを乗り越えようとしている。
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その大きな力になったのは、現ナショナルコーチの小笠原歩、現コーチの船山弓枝の経験だった。
小笠原と船山は一時、第一線を退いたものの、妊娠出産を経て競技に復帰。その後、ソチ五輪にも出場した。「チーム青森」時代に2人とともにプレーし、現在はロコ・ソラーレの代表理事を務める本橋麻里も続いた。
出産を経て復帰した先輩が道を示してくれて
本橋はこんな言葉をよく口にする。
「カーリングをするための人生ではなく、人生の中にカーリングがあるべき」
国際大会で出会う選手たちが大会に家族を帯同し、会場で語らう姿を見て、人生を豊かにすることが競技を続け、強くなるためにも大切だと気付いたのだという。そして、本橋自らそれを実践し、平昌大会では自ら立ち上げたロコ・ソラーレを銅メダルに導いた。
では、フォルティウスはどうか。

