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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「すごく悩んで、横浜ファンの方も許してくれるかなと」元DeNA乙坂智が巨人で3年半ぶりNPB復帰→戦力外も米国で再起「辞めない3つの理由」とは
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2026/02/09 11:01
マリナーズ傘下からリリースされた乙坂はジャイアンツで3年半ぶりにNPBに復帰。ハマスタで古巣から安打を放つ
自分の飼い犬に学びを得て
「そして3つ目なんですけど、僕の飼い犬に影響を受けたんですよ。“モモ”って言うんですけど、白内障で目が見えないんです。けれども散歩に行くと走るんですよ。それを見て感動したんです。
モモは目が見えなくても走っているのに、俺は体が動くのに辞めちゃうのもったいないなって。見えないと怖いのに走りつづける。僕が挑んでいる道も先が見えないけど、モモみたいにがむしゃらに走るのが格好いいんじゃないかって」
学びはどこにでもあるものだ。乙坂は愛犬から生きる姿勢を教えてもらったと嬉しそうに語った。
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今年の1月で32歳になった。正直、あまり時間は残されてはいない。けれども、どんな状況や環境であれ、どんな立場であろうと、成長や挑戦しつづけ常識の壁を越えて、発信していきたい。それが自分の使命なのだと乙坂は考えている。
「だから今シーズンもなにが起こるか、ドキドキワクワクしていますよ」
乙坂の旅は、まだ終わらない――。
日本に帰ってできた夢
長時間の取材を終えようとしていたタイミングで、乙坂が思い出したように口を開いた。
「じつは日本に帰ってきて、夢がひとつできたんですよ」
一体、何だろうか?
「最後はベイスターズで終えたいなって思ったんです。あのハマスタのファンの応援は衝撃的だったし、本当に感動したんです。だから野球人生の最後をベイスターズで過ごせたら、豊かな人生になるんじゃないかって思うんです」
そう語る乙坂からは、どこか温かさと寂しさが混ざり合い漂っていた。
横浜市出身。中本牧リトルシニア、横浜高校、DeNAでプレーしてきた乙坂にとって、世界に誇るこの港町は、愛してやまないホームタウンだ。4年前『横浜から世界へ』を合言葉に、乙坂は旅立った。出港した船は、寄港しながらも最後は必ずその港に帰ってくるものだ。果たして乙坂は、どこを終着港とするのか、これからもその姿を見つづけていきたい。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉


