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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「すごく悩んで、横浜ファンの方も許してくれるかなと」元DeNA乙坂智が巨人で3年半ぶりNPB復帰→戦力外も米国で再起「辞めない3つの理由」とは
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2026/02/09 11:01
マリナーズ傘下からリリースされた乙坂はジャイアンツで3年半ぶりにNPBに復帰。ハマスタで古巣から安打を放つ
再びアメリカで戦いつづける
月日は流れ昨年の12月上旬、乙坂が2026年シーズンを再びヨーク・レボリューションでプレーすることが報じられた。
心のどこかで、メジャーを目指しマイナーまでたどり着き、NPB復帰も果たしたことで、一区切りついたとこのまま球界を去るかもしれないと思っていたが、乙坂はまだ戦いつづける選択をした。
「このまま終わった方が、たしかに綺麗だとは思いますよ」
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小さく頷きながら、乙坂は柔らかい表情で言った。
「諦めちゃおうかなって思ったことも正直に言えばあったんですけど、いろいろ考えているうちに、ここで終わったらダサくね? と思ったんですよ」
3つの「辞めない理由」
そう言うと乙坂は口角を上げた。いろいろ考えた末、辞めない理由は3つあると教えてくれた。
「ひとつは“出会い”ですね。チームメイトだったりコーチだったり、野球をつづけていればいろいろな出会いがあるし、その過程で自分の感覚や言葉が研ぎ澄まされて、結果、行動が自分の軌跡になっていく。それを見てなにか感じてくれる人もいるので、それをまだ見つづけさせたいって思いがあるんです」
異国の地を歩きつづけ、多くの人とコミュニケーションをとってきたベースボール・ジャーニーマンらしい心情だ。
「2つ目はイチローさんの存在ですね。マリナーズにいたとき、イチローさんと一緒に練習させてもらう機会があったんです。もう雰囲気がすごいんですよ。引退して6年も経っているのに、現役選手さながらの張り詰めた練習をしている。
技術や体力だけではない至高の勝負の世界を覗けた気がしましたし、ハイレベルで戦うにはここまで究めなくちゃいけないんだって思ったんです。小学生のときから大好きな選手でしたし、イチローさんほどの選手には到底なれないけれど、何歳になっても自分を磨きつづける姿勢は見習っていきたいなって」
偉大なレジェンドの背中が、乙坂に勇気と活力を与えた。



