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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「すごく悩んで、横浜ファンの方も許してくれるかなと」元DeNA乙坂智が巨人で3年半ぶりNPB復帰→戦力外も米国で再起「辞めない3つの理由」とは
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2026/02/09 11:01
マリナーズ傘下からリリースされた乙坂はジャイアンツで3年半ぶりにNPBに復帰。ハマスタで古巣から安打を放つ
7月29日に一軍登録されるが、立場は代打だった。最初の3試合は快音を響かすことはできなかった。そして迎えた8月9日のDeNA戦で、乙坂は久しぶりに横浜スタジアムに凱旋した。約4年ぶりの古巣。三塁側から見る光景は、とても新鮮で衝撃を受けた。
ハマスタの応援に感動
「めちゃくちゃ感動していたんですよ。ライトスタンドのベイスターズファンの応援の熱量が本当すごくて『えっ、こんな応援をバックにプレーしていたんだ!』って鳥肌が立ったんです。これは相手からしたら、すごく嫌だろうなって思いました」
チームを離れ、立場を変えたからこそ理解できたハマスタに渦巻くようなDeNAの応援の凄まじさ。三塁ベンチで迫りくるような重圧を乙坂は全身にビンビンと感じていた。
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そしてDeNAが2-1とリードして迎えた5回表、2死走者なしの場面で代打・乙坂の名前がコールされた。DeNAファンからは万雷の拍手が起き、横浜スタジアムは大歓声に包まれた。ユニフォームは異なれど、やはり乙坂にとってハマスタは永遠のホームなのだ。
乙坂は、アンソニー・ケイが投じた初球を逆方向へ弾き返し、レフトオーバーのツーベースで、NPB復帰後初安打を記録した。ハマスタで決めるところが乙坂らしい。
活躍はできなかったが……
しかしこの後、1試合出場すると8月16日に抹消され、それきり浮上できぬまま巨人を自由契約になってしまう。わずか5試合、5打席の出場。ヒットはハマスタで放った1本だけだった。はっきり言って戦力にはなれなかった巨人での日々を、乙坂はどのように感じているか。
「いち早く声を掛けて頂いて感謝していますし、だからこそ力になれなくて申し訳なかったというのが一番です。自分のパフォーマンスを発揮することができませんでした。けど同時にジャイアンツにはめちゃくちゃいい若い選手が多いので、心から頑張って欲しいなと思っています」
若手のメンターのような立場で過ごすことは、DeNA時代も海外でもなかった。結果こそ出せなかったが、乙坂にとって人間力を高める上でいい経験になったのだろう。「NPB復帰は間違いではなかった?」と乙坂に問うと、真っすぐな目で「もちろんです」と力強く頷いた。

