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「ミラノ市内から7時間」の先に“雪のけもの道”が…ミラノ五輪「会場移動大変すぎ問題」と「ナイスアイデアの分散開会式」を現地で体感した!
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byJMPA
posted2026/02/07 19:18
ミラノから意外なほど離れているリビーニョ会場での選手入場。開会式も分散開催したことで、より多くの選手が参加できたといえる
サウジスタッフは寒さに耐えられるのか?
それに、選手入場はアルファベット順だからサウジアラビアが登場するのは最後の方になるはず。果たして彼らはこの寒さに耐えられるのだろうかと思っていた時だった。サウジアラビア選手団が全体の4番目に登場したのだ。イタリア語では「Arabia Saudita」となり、Aで始まるため出番がすぐに訪れたのだ。見ると選手団もドクターと同じく3枚を重ね着していた。
「素晴らしい開会式ですね。そういえば、今年の秋にはアジア大会があるから日本に行きますよ」
ドクター氏は気さくな笑顔を浮かべてそう言い、サウジアラビア選手団の行進が終わると満足そうに去って行った。サウジアラビアは、2029年の冬季アジア大会を開催することになっている(※最近、延期が発表された)ほか、将来的に冬季五輪を開催する野望を持っているとも言われている。冬季五輪に出場する選手はまだまだ少ないものの、氷点下でも正装を貫く姿には誇りや気合を感じた。
これは意外と画期的なアイデアかも
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そして、お待ちかねの日本選手団の入場。リビーニョの会場ではスノーボード女子ハーフパイプに出る冨田せなが旗手を務め、その周りをスノーボード男子ビッグエア予選1位通過の荻原大翔らが楽しそうな笑顔で歩いた。
続いて大スクリーンにはミラノ会場で旗手を務めたスピードスケート男子の森重航をはじめとするスケートやアイスホッケー勢が映し出され、プレダッツォ会場のジャンプ選手たちなども映し出された。どの選手も良い表情をしていた。
イタリア入りしてからの数日間は、ミラノ・コルティナ五輪取材を表現する言葉は「前途多難」がぴったりだと思っていた。だが、4カ所で行われた開会式は、これまでだったら参加したくても参加できない選手が多いという悩みを解決する画期的なアイデアでもあった。
「分散開催にも程がある」から「分散開催にも利はある」へと転じた2月6日。さあ、17日間の熱戦をしっかりと取材しよう。


