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「ミラノ市内から7時間」の先に“雪のけもの道”が…ミラノ五輪「会場移動大変すぎ問題」と「ナイスアイデアの分散開会式」を現地で体感した!
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byJMPA
posted2026/02/07 19:18
ミラノから意外なほど離れているリビーニョ会場での選手入場。開会式も分散開催したことで、より多くの選手が参加できたといえる
雪道からのクロカンコースを徒歩で!?
そして最後の難関は、バス停から宿までの約2キロの徒歩ルートだ。Googleマップの指示はけもの道を通ってから、川沿いのクロスカントリーコースを行けという、一瞬、目を疑うものだった。おそらく、けもの道には夏場は普通に道があるのだと思うが、今は雪で覆われてしまっているのだろう。
長靴の中に雪が入るほど深い雪道をどうにかクリアし、しっかり除雪されたクロカンコースを歩いて宿に着いた時は汗びっしょり。
「分散開催にも程がある」とうらめしく思った。
リビーニョでの開会式
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6日夜(日本時間7日未明)、ミラノ・コルティナ五輪の開会式が行われた。今回の開会式は史上初の4カ所同時開催。リビーニョでもミラノと同時に開会式が始まった。
序盤、大スクリーンに映し出されたのはミラノのサン・シーロでの芸術プログラムの映像。続いてマライア・キャリーがイタリア語で見事な歌唱を始めた頃、筆者のすぐ横に、白装束の男性2人組がやってきた。白銀の世界で異彩を放つ彼らに話しかけてみると、サウジアラビア人だという。
てっきり報道陣かと思いきや、「私はチームドクターです。今回、サウジアラビアからアルペンスキーの選手が出ているのです」と言う。
スノーボードやモーグルなどが行われるリビーニョは標高1800メートルの山岳地帯。スマホで気温を確認するとマイナス6度で、木綿の白装束はいかにも寒そうだが、彼らは背中を丸める様子もなくビシッとしている。
「寒くないのですか?」と訊ねると、「この下に2枚重ね着していて合計3枚着ているのですよ」と襟元を見せてくれた。一番上が白、2枚目は色の付いたものを着て、一番奥の3枚目も白。とはいえ3枚とも厚みはなく、暖かそうではない。



