炎の一筆入魂BACK NUMBER
結果を出した者だけが次に進める…緊張感に包まれる広島キャンプで新井監督が打ち出した「横一線」のリアルな競争現場
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前原淳Jun Maehara
photograph bySankei Shimbun
posted2026/02/03 06:00
日南キャンプの歓迎セレモニーで挨拶する新井監督
野手だけではない。昨年10月に右肘を手術した大瀬良大地、昨季終盤に右肩の張りで離脱した森下暢仁、直近3年で31勝の床田寛樹の先発3本柱も登板する。
この方針はすでに昨季終了後、投手陣全体に通達されていた。昨年の実戦初登板がオープン戦に入った3月だった3投手にとって、オフの調整が例年以上に早くなったことは言うまでもない。
落合博満元中日監督が就任1年目の春季キャンプで、初日の2月1日に紅白戦を行った際のメッセージとはやや異なる。
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「オフの取り組み(の意識を高める)ということだったら、キャンプ初日に(紅白戦を)やればいいけどそうではない。ヨーイドンでみんな一斉にスタートしましょうということかな。先発ローテもスタメンも決まっていない」
キャンプ前に新井監督がそう発信した言葉通りのキャンプインとなった。例年であれば別メニューとなる菊池は全体メニューに加わった。秋山も午後のローテーション打撃からは外れたものの、午前中のメニューに参加。ランチ特打を終えると自ら右翼のポジションに就いて打球を追った。2日目は菊池がランチ特打に回り、秋山が全体メニューに入った。
チーム最年長投手の意欲
投手陣も初日から日本人投手が全員ブルペン入りした。チーム投手最年長の大瀬良はチーム内競争のほどよい緊張感を感じている。
「監督が言われている横一線という話を聞いて、感じたところもある。個人的にも、手術明けで元気ですよというところも見せたかった」
昨季6勝14敗と大きく負け越した森下は、まだ試運転段階ながら初日から147kmを測定し、2日目にもブルペン入りと例年になく意欲的に投げ込んでいる。横一戦とはいえ、よほどのことがない限り森下が開幕ローテから外れることはないものの、主戦を突き動かすほどの空気感がチームにある証でもある。
10日からの紅白戦だけで何かが決まり、何かが確約されるわけではない。始まりに過ぎない。「横一線」とは平等を意味する言葉ではない。「結果を出した者だけが次へ進める」という宣告でもある。異様な空気の中で始まった今年の広島キャンプは、静かではあるが、確かな緊張感がチーム全体を包み込んでいる。
