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ボクシングPRESSBACK NUMBER
中谷潤人の判定勝ち「じつは敗者エルナンデス陣営も納得」世界的カメラマンが至近距離でとらえた決定的瞬間「中谷のパンチが“より深く”刺さっていた」
text by

福田直樹Naoki Fukuda
photograph byNaoki Fukuda
posted2026/01/13 11:16
中谷潤人はセバスチャン・エルナンデスのタフさに苦戦しながらも、スーパーバンタム級初戦で判定勝利を収めた
「パンチの質で中谷が優位」リングサイドで感じたこと
ただ、これはリングサイドで撮影しながら感じたことですが、それでも中谷選手のパンチのほうがより深く、正確に刺さっていたと思います。パンチの当たるアングル、威力、音が違った。特にアッパー系や右フックですね。アンドリュー・モロニーをKOしたオーバーハンド気味の左フックも、かなりいいタイミングで打っていました。相手のタフさゆえか、すこしポイントがずれていたのか、倒すまでには至りませんでしたが、当たっていたパンチの質で中谷選手に優位性があるかなと感じていました。
かなりの激戦になったことは確かですが、判定を聞く前から、個人的には中谷選手の勝利だろうと思っていました。採点としては「115-113」、もしくは「116-112」もあるかな、と。「118-110」はちょっと差がつきすぎですが、試合後に中谷選手の判定勝ちそのものに疑問が出ているのを知って、やや意外な心持ちになりました。
もちろん、受けに回る姿をよしとしない人、前に出ているボクサーに好印象を抱く人にとっては、エルナンデス選手が手数で押し込んでいるように見える試合だったとは思います。実際、このところ中谷選手が受けに回ることがあまりなかったので、そのぶん印象が悪くなる部分もあったのかもしれません。
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ただ、リングサイド視点だと、パンチのアングルや突き刺さり方、的確さで中谷選手の勝利だと感じました。実際、会場でも判定に対して「ええっ?」という反応はありませんでした。エルナンデス陣営も怒ったり異議を申し立てたりはせず、「仕方ない」と敗北を受け入れているように見えましたね。
PFP1位ウシクも興奮「ナカタニ! 左を打て!」
とはいえ、ジャッジの採点によってドローや、スプリットで敗れる可能性もないわけではなかった。逆に言えば、ここで勝ちながら苦しい試合を経験できたのは大きいですよ。スーパーバンタム級にどうアジャストしていくか、チームもたくさん考えると思いますから。頑強な身体を持つ相手とこれだけ打ち合って、目も腫れて塞がった。「きれいなボクシング」ではなかったからこそ、中谷選手にとって、数試合ぶんの経験になったはずです。




