ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
叫べ「宇宙〜!」DeNAのロマン砲・井上絢登3年目の爆発なるか…一軍定着・レギュラーめざし「長打を狙いすぎず、欲を捨てていきます」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2026/01/12 11:02
2年目の昨季、プロ初本塁打の翌日にも2号を放ち、決め台詞の「宇宙!」を叫んだ井上。しかしその後は当たりが止まってしまった。3年目の一軍定着へ、決意を語った
先制点を許し0対1となった1回裏にいきなり見せ場は訪れる。2死満塁の場面で井上にとってシーズン初めての打席がまわってきた。相手投手は中日のエース髙橋宏斗。井上は強い真っすぐを意識して打席に入った。初球はインコース低めのスプリット。2球目はアウトコースに低めに残るスプリットで、井上は空振りした。
「真っすぐを意識しすぎて体が突っ込んでしまい空振りをしてしまったのですが、そこで打席のなかで修正しました」
プロ初本塁打が逆転満塁弾
3球目、またもやスプリット。2球目と同じアウトコース低めに残る球筋だった。井上は真っすぐをイメージしながらもしっかりと体を溜め、バットを鋭く振り抜いた。ボールはライト方向に高々と舞い上がった。その行方を見つめながら井上は必死に走った。
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「自分のなかで捉えた感覚はあったんですけど、最初はどうかなって確信は持てませんでした。けど浜風にいい感じで乗ってくれて……」
打球はDeNAファンがひしめくライトスタンドに飛び込んだ。プロ初本塁打が、まさかの逆転グランドスラム。一塁をまわった井上はガッツポーズをして雄叫びを上げた。スタンドのファンも「これが見たかった」とばかり、大歓声で沸き上がった。
ゲームにも勝利し一躍この日の主役となった井上は、これもプロ初となるヒーローインタビューでお立ち台に上がった。青い光が辺り一面にきらめくスタンドを見上げ、井上は感慨深い感情に駆られた。
「これがプロのお立ち台なんだって。いや本当歓声もすごいし、またここに立ちたいなって思いましたね」
飛び出した名言「宇宙〜!」
そして、ここでチームメイトにせかされ発した、井上の代名詞となる「宇宙~!」というコールで、ファンにビッグインパクトを与えることになる。
横浜の闇夜を突き抜け、天まで届くようなその咆哮。改めて、真面目に“宇宙”とは何なのかを井上に問うた。
「あ、いや、難しい質問ですね……」
そう言いながら井上は頭を掻き苦笑した。
「発端は覚えていないんですけど、ファームでいつの間にかそう言われるようになって」
なんでも井上の言動や行動には他の人にない天然さと無邪気さがあり、それが“宇宙”を想起させているそうだ。果たして自覚はしているのだろうか。

