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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「負けは明らかでも両腕を突き上げ」ピカソの井上尚弥対策は「見事だった」元世界王者・飯田覚士が“びっくりした”7Rの攻防「相当自信があるんだなと…」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNaoki Fukuda
posted2025/12/31 17:01
井上尚弥とアラン・ピカソの一戦は予想に反して12回判定までもつれこんだ
ディフェンス巧者のピカソに対して攻めあぐねながらも、8ラウンドまでジャッジ3者全員がフルマークで井上を支持している。主導権を握り、ラウンドのどこかで必ず盛り上がりをつくってポイントをしっかりと自分のものにした。
“負け”は明らかなのに両腕を突き上げ…
L字ガードを含めてラウンドのなかであの手この手で攻略を試みている。5ラウンドには自らロープを背負って誘い、6ラウンドの始まりは低い姿勢でプレッシャーを強めて強打を見舞う。ただ、深追いだけはしない。8ラウンドの飯田のメモには「丁寧に攻める」と記されていた。
思いどおりにはならずとも主導権は決して渡さない。それでも1ポイントを失わない“完全試合”とはならなかった。9ラウンドに1者、11ラウンドにその同じジャッジがピカソに「10」を与えて、その11ラウンド終了時にはピカソが両腕を突き上げてコーナーに戻っている。圧倒的に負けているのは誰の目から見ても明らかなのに、である。
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テクニカルな駆け引きが続いた一戦は、ついに最終ラウンドに入ろうとしていた。

