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「ふがいないシーズンなので」久保建英が初のヘディング弾後“ファンに謝罪”した背景…不振ソシエダの中で「感覚的には良くなっている」
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中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/12/28 11:05
今季2ゴール目を頭でマークした久保建英。北中米W杯イヤーはレアル・ソシエダでの活躍も見たいところだ
日本で行われたプレシーズンマッチ後には、ここ数シーズンでの主力(ミケル・メリノ、ロビン・ルノルマン、マルティン・スビメンディら)の度重なる流出に、久保はチーム批判とも取られかねない言葉で、こう警鐘を鳴らしていた。
「経験豊富な選手や新しい風を吹き込む選手が必要」
チームの出遅れに自身のケガ…不運だった
その懸念は現実となる。
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ソシエダは、開幕から5試合勝ち星を上げることができず(2分3敗)、降格圏まで順位を落とした。新加入のゲデス、カルロス・ソレールらが戦力としてフィットし始め、チームが徐々に不調から抜け出していく
その中で久保は不運に見舞われる。9月に行われた日本代表のアメリカ遠征で足首に怪我を負ってしまったのだ。負傷は、当初の見立てより深刻でプレーへの影響が見て取れた。また10月には、リーグ戦で2試合の招集外となった。2カ月近く苦しんだ怪我の影響が薄れ、11月の代表ウィークが終わる頃には、相手を翻弄する久保のドリブルが戻り始めたように感じられた。
しかしエースのミケル・オヤルサバルが負傷で離脱してしまうと、再びチーム状況は悪化。ホームでの16節ジローナ戦で逆転負けすると、クリスマス休暇での中断を待たずして、セルヒオ・フランシスコ監督が解任となっている。
感覚的にどんどん良くなっています
レバンテ戦に話を戻すと——Bチーム指揮官を暫定的に据えたこの一戦、久保は復帰したオヤルサバルと共にソシエダ攻撃の起点となった。後半に見せたオヤルサバルの裏抜けに合わせた、久保のピンポイントフィードは、決まっていればパス、シュート共に正にゴラッソだったが、惜しくもオヤルサバルが決め切れなかった。前節にあった、久保が同じようなシチュエーションからパスミスで相手に渡してしまった際と比べると、格段にパフォーマンスの向上を感じさせた。
「感覚的にどんどん良くなっています。少しでも早くこの状況から抜け出すために、チームを助けていきたい」
と、この試合のMOMに選出された久保はコメントを残している。
ただ試合は最終盤94分、レバンテの猛攻によってPKを献上し、ソシエダは貴重な勝ち点3を奪うことができず。年内最終節を終えた。




