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優勝を逃し「けじめをつけなければ」三浦大輔・前DeNA監督が初めて明かす、横浜で目指したもの…「当たり前のことを当たり前にできるチームに」

posted2025/12/22 11:03

 
優勝を逃し「けじめをつけなければ」三浦大輔・前DeNA監督が初めて明かす、横浜で目指したもの…「当たり前のことを当たり前にできるチームに」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2025年リーグ2位に入りながらも監督を辞任した三浦大輔。ロングインタビューに応じ、DeNAへの思いを明かした

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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Hideki Sugiyama

ベイスターズの監督という重責を終えた三浦大輔。5年間で4度のAクラス、日本一にも輝いた監督生活、そしてユニフォームを脱いだ今の心境を、本人に語ってもらった。〈NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む

 リーゼントをきめた精悍な佇まいはこれまでと変わることはない。ただ12月中旬、2カ月前の退任会見以来に会った横浜DeNAベイスターズの前監督である三浦大輔の表情や所作からは、どこか軽やかさが見て取れた。5年間という監督の重責から離れ、今はその多くをお世話になった人たちへの挨拶や自分の好きな時間に費やしているという。

「まあ毎年オフはこんなもんですよ」と、三浦は言ったが、次の瞬間、ふと斜め下を見るように頷いた。

「普段ならば秋季トレーニングを終えて、来季に向けていろいろ考えている時期ですよね。けど、今年はまったく考えていない。そこはもう離れたことですから」

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 少しだけ三浦から寂寥感が漂った。

リーグ優勝だけが達成できなかった

 監督生活5年間、通算で343勝342敗30分。DeNA体制では初の勝率5割以上を記録した指揮官として任期を終えた。

 初年度の2021年は6シーズンぶりのリーグ最下位と苦しんだが、2年目は横浜スタジアム17連勝という球団史上初の本拠地連勝記録を作り2位に躍進、3年目は球団として初めてセ・パ交流戦に優勝、4年目はリーグ3位ながらクライマックスシリーズ(CS)と日本シリーズを勝ち抜き26年ぶりの日本一に君臨した。そして今季は2位でフィニッシュ。

 5シーズン中、4度のAクラス入り。もはや達成すべきは1998年以来のリーグ優勝だけだったわけだが、結局、三浦は監督として成し遂げることができなかった。

 三浦はこの結果に対し辞任を覚悟した。球団からは慰留があったが、これを固辞している。

けじめをつけなければいけない

「昨季は日本一になって、じゃあ今季はリーグ優勝をして、再び日本一になり、同じ景色を見るんだ、という思いのなか戦いを始めました。しかしリーグ優勝できなかったということで、自分としてはけじめをつけなければいけない、という思いが強かった。ありがたいことに球団からはお声を掛けて頂きましたが、やはりそこに甘えてしまってはいけない。覚悟を持ってやってきましたし、自分に嘘はつきたくありませんでした」

 三浦は真っすぐな鋭い目で言った。矜持が滲み出る。

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