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優勝を逃し「けじめをつけなければ」三浦大輔・前DeNA監督が初めて明かす、横浜で目指したもの…「当たり前のことを当たり前にできるチームに」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byHideki Sugiyama

posted2025/12/22 11:03

優勝を逃し「けじめをつけなければ」三浦大輔・前DeNA監督が初めて明かす、横浜で目指したもの…「当たり前のことを当たり前にできるチームに」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2025年リーグ2位に入りながらも監督を辞任した三浦大輔。ロングインタビューに応じ、DeNAへの思いを明かした

 DeNAでは試合後の監督インタビューが義務付けられているが、当然のように連敗中などは重い空気が漂った。現役時代の三浦は、リップサービスも含めパンチラインの利いたワードをよく語ってくれていたが、監督になってからそれがほぼなくなった。チーム状況が苦しいときほど、その様子を見るのは不憫でならなかった。

「メディアの方は、ファンの方が聞きたいことを代表して質問してくれるのは理解しているのですが、選手やスタッフのこともありますし、もし言ってしまえばチームとして成り立たなくなってしまうこともあるので、そこはすごく気を遣いましたね。まあ、もう少し気の利いたことを言えればよかったんですけど、どうしてもチームの和が乱れてしまうのだけは避けたかった」

小さなことから、意識づけを始めた

 三浦が監督として重んじたのは、選手やスタッフとのコミュニケーションと、それに付随したチーム一丸で戦うという強い意識づけだ。初年度こそ「自分も選手のつもりで前掛かりになって戦ってしまい、状況を俯瞰できず失敗をしてしまった」と、以前語っていたが、その後、適材適所、全員の歩調が合うことを意識してチームビルディングを施していった。

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 実際のところまだDeNA特有のムラっ気は抜け切ってはいないが、それでも普通にAクラスで戦えるチームに成長することができた。三浦としては、ここはこの5年間の収穫だったという。

「僕も現役時代から見てきたなかで、負けが込んできたり、下位の方に沈んでいくと、ああでもないこうでもないといってチーム内がバラバラになりやすい。それでシーズンを終えて、じゃあ来年から切り替えてとはいかないし、そんな甘いもんじゃない。だからこそ言うべきことは継続して言いつづけましたし、コミュニケーションや意識づけだけではなく、凡事徹底も含め、当たり前のことを当たり前にできるチームが強いですからね」

 小さなことから三浦は始めた。その一滴が大河になると信じて——。

〈全2回の1回目/2回目につづく

#2に続く
さらば番長…「現役時代と監督時代、どっちがきつかった?」三浦大輔が語ったDeNAでの濃密な5年間「これからはファンの方々と同じ気持ちで」

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