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なぜ青学大には“優秀なランナー”が集まるのか? 原晋監督はこうして選手を口説いてきた…箱根駅伝の常勝軍団を生んだ「最強のスカウト術」
text by

原晋Susumu Hara
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/02 06:03
青学大・原晋監督流の“スカウト術”とは?
いかに説得力のある言葉で選手を口説くか?
そういう状況のときから私が意識してきたことは、いかに説得力のある言葉で相手を口説くかということでした。そのポイントは、こちらが目指すゴールにリアリティがあるかどうかということです。
私が監督に就任したばかりのチームの状態で、「箱根駅伝、優勝だ!」「箱根から世界を目指そう!」と言ったところで、28年間も出場できていないわけですから説得力は微塵もありません。当時、スカウトの現場でも、強化部1期生の選手を集めたミーティングでも話していたのは以下のようなことでした。
「目指すのは箱根駅伝出場だが、実現できないかもしれない。しかし、私は10年で優勝を狙えるチームを必ずつくる。そのための礎になってくれ。優勝したときには必ず君たちの頑張りを伝えていく。この一歩がなければ優勝できなかったと」
目標に応じて、人材へのアプローチも変えていく
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嘘いつわりのない現実と将来のビジョンを本気で伝えられれば、この人は本当にやるんじゃないかという印象を相手に与えられるものです。だからこそ、かつての選手たちは弱いチームに入部してくれたわけだし、本気で箱根駅伝出場を目指して頑張ってくれたのだと思っています。
組織が少しずつ強くなり、目指すゴールが変わってきたら、とりたい人材に対するアプローチの仕方を変えていくのが効果的です。
青学陸上競技部のゴールも、箱根駅伝出場からシード権獲得、シード権常連、箱根駅伝優勝とステップアップしてきました。それと同時に「一緒にシード権を獲ろう」という直接的なものではなく、「私と一緒に、箱根駅伝の勢力図を変えよう」と将来的な広がりを感じさせる言葉に変えていきました。
