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ロッテ・松川虎生「悔しくて、しんどかった」18歳で佐々木朗希と完全試合→今季出場6試合の現在地…再会した朗希の言葉に取り戻した“誇り”
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/19 11:06
2024年、渡米前最後のファン感謝イベントで仲睦まじいツーショットを見せた佐々木朗希と松川虎生
帰国した朗希と焼き鳥を…
今年11月下旬のこと。松川はアメリカから帰国していた元同僚のドジャース・佐々木朗希投手に誘われて食事をした。佐々木が予約した都内の焼き鳥店で久々の再会を果たし、野球の話に花が咲いた。驚いたのは、佐々木が松川の今季の状況を、まるで近くで見ていたかのようにつぶさに知っていたことだ。
「朗希さんがボクのことをすごく気にかけてくれていたのが分かって、嬉しかった。頑張ってと言ってもらって、ボクも頑張らないとアカンなあと改めて思いました」
そう口にすると、松川はようやく柔らかい笑顔を見せた。
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その佐々木も海を渡った当初は、異国の地で苦労した。しかし、最後はリリーバーとしてチームのワールドシリーズ連覇に大きく貢献した。その姿をテレビやニュースで見るたびに松川には遠い世界の人のように思えた。
完全試合のボールを自分のミットで受け、一緒にオールスターでもバッテリーを組んだことが幻のように思える時もあった。しかし、久しぶりに一緒に食事をして、沸々と誇りと自信が生まれてきたのを感じた。
2人だけの会話で思い出した「誇り」
「今の日本プロ野球で完全試合をしたことのある捕手は自分だけ。それはすごく誇らしい事だと思うし、その実績をこれからもしっかりと大きくしていかないといけない。そう自分に言い聞かせることが出来ました」
19時に始まった食事会は気が付けば23時近くまで続いた。久しぶりの2人の会話は時間を忘れるほど、楽しく濃密なものだった。
帰り際、ふと思った。
「みんなで行ったこととか、ホテルの食事会場で一緒とかはあったけど、2人で外食はあの日、以来かもしれない」

