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「やはり、何かが足りない」“2度目の指名漏れ”に納得も…15キロ増量で「大阪桐蔭で全国制覇」元エースが感じる伸びしろ「全てがまだまだ発展途上」―2025年下半期読まれた記事
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byNanae Suzuki
posted2025/12/28 11:00
2022年の春のセンバツを制し、夏大会では大阪桐蔭の背番号1をつけた川原嗣貴。社会人初のドラフトは「2度目の指名漏れ」となった
「来年こそプロに行くために…恩返しを」
ドラフト後、初の公式戦となった日本選手権大会。
準々決勝のヤマハ戦で川原は先発マウンドを任されたが、初回から長打を浴びるなど相手打線につかまり、3回途中に7安打4失点で降板。チームも2-4で敗れ、準決勝進出はならなかった。要所で良いボールはあったものの、ここ一番の場面では精彩を欠き、今年最後の公式戦は苦い思いを残し終幕した。
やはり、何かが足りない――。そう痛感したマウンドだっただろう。
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だからこそ来年への思いは一層強くなる。
「精神面でもっと強いピッチャーになって、来年こそプロに行くためにチームに最高の恩返しをしたい。来年は1位で行ってやろうという気持ちです。やっぱり評価されてプロに行きたい。今はそんな思いしかないです」
そしてこう付け加えた。
「大学に行くより社会人で野球をして本当に良かったと思っています。これだけのレベルの中で投げさせてもらって、自分を成長させてもらえたので」
来年は社会人4年目。つまり大学に進んだ同級生と共に評価されることになる。2度の苦い経験、そして今秋のマウンドが川原をどう変えるのか。進化した姿を披露することが、チームへの最大の恩返しとなる。

