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“じつは簡単じゃない”W杯組み合わせの論点「グループ1位もあれば4位もある」「環境適応はチュニジアが有利」それでもF組1位を確保したい“切実な理由”
posted2025/12/10 17:17
北中米W杯の組み合わせ抽選会に出席した森保一監督。「非常に厳しいグループ」と見解を述べた
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戸塚啓Kei Totsuka
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AFP/JIJI PRESS
32から48へ出場国が増えても、大会を勝ち抜く厳しさは変わらない。
来年6月開幕のワールドカップの組合せが決まった。森保一監督が率いる日本代表は、オランダ、チュニジア、それにUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)のプレーオフステージ勝者と対戦することとなった。
未決定のプレーオフ枠はどの国も「侮れない相手」
オランダについて詳細を語る必要はないだろう。EURO2024でベスト4入りしており、リバプールのフィルジル・ファン・ダイクやバルセロナのフレンキー・デ・ヨングをはじめ、戦力はいつもながら充実している。優勝候補のひとつにあがってくる。
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チュニジアはアフリカ予選を10戦無敗で突破した。22得点無失点という圧倒的な数字を残したが、大会拡大によって予選のハードルが下がっている。アジアと同じように、予選の成績がそのまま国際的なレベルを表わすわけではない。
もちろん、元代表主将で98年大会に出場したサミ・トラベルシが率いるチームを、侮るつもりはない。11月には中立地フランスで、ブラジルと1対1で引き分けている。過去の対戦成績では日本が優位に立っているが、スキを見せたら痛い目に遭う。
UEFAのプレーオフステージは4カ国が4つのグループで争い、日本と対戦するのはウクライナ、ポーランド、スウェーデン、アルバニアのいずれかだ。アルバニア以外の3カ国はワールドカップ出場経験があり、国際的な競争力は一定水準以上と言っていい。つまりは侮れない相手だ。
勝敗を決めることのできる「個」もいる。ウクライナなら23歳の俊英ヘオルヒー・スダコフ、ポーランドなら37歳にして高い決定力を維持するロベルト・レバンドフスキだ。スウェーデンには遠藤航のチームメイトでもあるアレクサンデル・イサクがいる。移籍1シーズン目のリバプールではまだ爆発していないが、潜在的な得点能力は高い。
4カ国のなかで唯一W杯出場経験のないアルバニアは、ヨーロッパ予選でセルビアを蹴落として2次予選へのチケットをつかんだ。監督は元ブラジル代表の左SBだったシルヴィーニョで、アシスタントコーチには元アルゼンチン代表のパブロ・サバレタ、元ブラジル代表MFドリーバらが名を連ねる。いずれもヨーロッパのトップクラブでプレーした彼らのもとで、EURO2024にも出場している。

