悔しがる木原龍一に、笑顔の三浦璃来がジェスチャーをして…「はい、話になりました」GPファイナル優勝直後、和やかなりくりゅうが“ジョーク”に込めた思い 

　その熱い空気の中で最終滑走、りくりゅうの「グラディエーター」の演技が始まった。大きなツイストから演技を開始。だがコンビネーションジャンプの最後で、木原が珍しくダブルアクセルをステップアウトした。さらに後半のスロウ3ループで今度は三浦がフリーレッグを早めについてしまった。それでも残りを丁寧に力強く滑り切り、力強いポーズでフィニッシュ。ちょっと悔しそうな表情を見せた木原は、三浦に向かって申し訳なさそうに両手を合わせた。三浦は頬を紅潮させた笑顔で、木原に謝罪は不要だというように力強く首を横に振った。

多少のミスが出たものの、力強く滑り切ったフリー「グラディエーター」

　得点が出ると、フリーはドイツに次いで2位、総合ではトップを保った。優勝がわかると、木原はちょっと驚いた表情を見せた。

　前の組が良い演技をしたことを事前にわかっていたのかと聞くと、三浦がこう答えた。

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「本当に前のイタリアのペアだけでなく、皆さん良い演技をされたんだなという空気感がすごく伝わってきていた。私たちも逆にナーバスになることなく、良い波に乗れるかなと思っていたので、自分たちらしい滑りができて、本当に……今後につながっていけばいいなと思っています」

フリーの演技直後、三浦と木原は対照的な表情を浮かべていた

「ジャンプが抜けてしまっても…」

　小さなミスがあってもスコアが伸びた理由は何だと思うのか。そう聞くと、「なんでですかね……」と、木原は少し言葉を探した。

「ちょっと点数的に厳しいかなというのは感じていたんですけど、こうした点数をいただけたというのは嬉しかったんですけど、つなぎであったりとか細かいことというのはしっかり確認してきましたし、ジャンプが抜けてしまってもしっかりレベルを取るというのを意識してやってきたので、そういうところが点数に影響したのかなと思います」と分析した。

　実際ジャンプは回転不足は一度も取られず、ステップアウトのわずかな減点のみ。リフトやスピンもしっかりレベル4をとった。

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