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悔しがる木原龍一に、笑顔の三浦璃来がジェスチャーをして…「はい、話になりました」GPファイナル優勝直後、和やかなりくりゅうが“ジョーク”に込めた思い
posted2025/12/09 11:02
ミラノ五輪前哨戦となるGPファイナルで優勝を果たした三浦璃来&木原龍一
text by

田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
12月5日、名古屋のIGアリーナで開催された2025年GPファイナルで、三浦璃来&木原龍一ペアが優勝を決め、3年ぶり2度目のタイトルを手に入れた。名古屋は木原の地元でもあり、2019年7月に二人が初めてペアのトライアウトをした場所。まさにりくりゅうが誕生した土地で、2度目の栄誉を手にした。
りくりゅうの肩の力が抜けた笑顔
今年の7月にオープンしたばかりのIGアリーナは、りくりゅうが出てくると大きな歓声で満たされ、客席は日の丸で埋めつくされた。
SP「黒く塗れ」では、サイドバイサイドの3トウループで回転不足が出るも、質の高いリフトやステップシークエンスでレベル4を取り、77.32と2位のイタリアを僅差でかわしてトップに立った。
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名古屋の観客の前でこの演技ができた感想を聞くと、木原はちょっと照れたような笑顔を見せた。「もっともっとできるよって言うのは……自分たちでもっとしたい、もっと出したいというのはあるんですけど、まあこんなもんかなと……去年の反省をふまえて、完璧を求めすぎずに」
昨シーズンは、この肩の力が抜けた笑顔がなかなか見られなかった。完璧を求めて自分たちを追い込み過ぎていた、と振り返る。だから今季のりくりゅうは、まずは自分たちらしさを大切にすることを学んだのだという。「まあショートはもう終わったので、フリーはまた明日適度に集中して、今日みたいに自然体で臨めたらいいかなと思います」
悔しそうな木原に、三浦が“あるジェスチャー”
翌日のフリーは、SP5位だったドイツのミネルバ・ファビアン・ハーゼ&ニキア・ボロディン、そしてSP2位だったイタリアのサラ・コンティ&ニッコロ・マッチとも、素晴らしいノーミスの演技をきめていた。


