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「“育成なら1位で獲る”という球団もありました」仙台育英、ドラフト指名漏れのウラ側…高校生が異例の“指名漏れ会見”、須江監督「すでに10件電話がきてます」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph bySankei Shimbun
posted2025/12/10 11:06
仙台育英高校で「スケール感は過去イチ」と絶賛された高田庵冬。筆者はドラフト前から彼を取材した
「自分の大事な人生の選択をするときに、ここがダメだからここに行くというような覚悟や決意では、ものごとを成すことはできないと思っているので。指名されなかったら、その段階でも手を挙げてくれている人たちの中から選ぶというのが筋だと思っています」
ドラフト会議の支配下指名が終わってからというもの、須江の携帯電話は震えっぱなしだった。会場をあとにするとき、携帯の着信履歴を確認した須江の表情から笑みがこぼれる。
「すでに高田と吉川の争奪戦が始まっていますよ。もう10件ぐらいかかってきてますから。これからおもしろいことになりますよ」
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須江の目はもう「夢見る人」になっていた。
<全4回>
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