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「日本国籍取得は言語の壁が」岡田ジャパン招集熱望も断念・名ブラジル人FWが語る真相…今は何を?「フロンターレユニに似せているよ(笑)」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2025/12/12 11:03
48歳となったジュニーニョと10歳の三男ダニエル。その明るさは今も変わらなかった
「そう言ってもらえると、本当に嬉しい。ブラジルでは、ファンは基本的にクラブを応援する。クラブに長年在籍して貢献してくれた選手にも感謝はするけれど、退団後はあまり気に留めない。でも、日本のファンは違う。クラブを応援すると同時に、クラブのために頑張った選手のことをいつまでも忘れない。僕は、こういう日本のファンと日本人が大好きなんだ」
――引退後のキャリアについて、何かプランはあったのですか?
「いや、現役時代は何も考えていなかったし、指導者についても選択肢になかった。指導者は選手以上に大変だし、家族と一緒に過ごす時間が取れないからね。でも、『やっぱり自分はフットボールから離れられない』 と思い、2019年、まず自分が住むマンションが所有するスポーツ施設でスクールを立ち上げた。現在、4歳から14歳までの約80人に教えている」
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――スクールの名前は?
「『JR10』。『JR』は僕の名前であるジュニオール、ジュニーニョを表わし、『10』は僕が長年、フロンターレで付けていた背番号だ」
フロンターレユニに少し似せさせてもらった(笑)
――ユニフォームがフロンターレと似ていますね?
「ああ、少し似せさせてもらった(笑)。また、2023年、サルバドール市内で恵まれない家庭の子供たちのための社会福祉活動として約200人を無償で指導している。さらに、今年2月にもサルバドール郊外にも『JR10』というスクールを開設し、4歳から14歳まで約70人を教えている。子供たちが嬉々としてボールを蹴る姿を見る喜びは、何物にも代えがたい」
――あなたの指導方針は?
「すべての子供たちがプロ選手になれ、なおかつ成功するわけじゃない。のみならず、フットボールがうまくなる以前に立派な社会人に育ってもらいたい。そのために、僕が日本で学んだ規律、道徳、礼儀なども教えている」
――ご家族は?
「25歳の長男、22歳の次男、10歳の三男、8歳の長女の4人の子供がいる。長男と次男はプロ選手を目指したが、才能に限界を感じ、別の道に進んだ。三男のダニエルは、なかなか才能がある。最初はアタッカーだったけれど、今はボランチとしてプレーする楽しさに目覚め、プロを目指している。サルバドール郊外の方の『JR10』で練習を積んでいるよ」
いずれプロクラブを立ち上げたい
――子供たちを指導すること以外に、将来の夢はありますか?

