歴代新人王の明暗「1年目31ホールド→今オフ戦力外」2000安打7人、150勝に200S達成もいるが…ルーキー大谷翔平は「じつは4票だけ」だった 

「神様仏様稲尾様」の稲尾和久を筆頭に200勝投手は2人。150勝以上は9人。史上最多400勝の金田正一は、新人王が制定された1950年に国鉄からデビューしたが8勝に終わり、松竹の大島信雄（20勝4敗 防2.03）がセの初代新人王に輝いた。現役ではヤクルトの石川雅規が188勝で4位につけている。

200S、200Hがいる一方で与田らは

　なお新人王で200セーブに達したのは2人いる。

益田直也（ロ）13年34勝56敗248S174H 防2.96
2012年：2勝2敗1S 41H 防1.67
山﨑康晃（De）11年22勝39敗232S94H 防2.86
2015年：2勝4敗37S 7H 防1.92

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　共に現役。一時代を築いたクローザーだ。200ホールドは1人。

山口鉄也（巨）11年52勝27敗29S273H 防2.34
2008年：11勝2敗2S 23H 防2.32

　山口は育成制度が導入された2005年に米マイナーから巨人に育成1巡目で入団し、3年目に23ホールドで、育成上がりの投手として初の新人王。一時期はNPB最多ホールド記録を持っていた。

〈新人王投手の通算勝利数ワースト5〉※現時点での12球団所属選手は除く
村上之宏（南海）3年14勝25敗5S 率5.25
1978年：5勝8敗3S 防3.61
森山良二（西）9年14勝15敗0S 率4.21
1988年：10勝9敗0S 防3.46
三瀬幸司（ダイエー）11年11勝13敗47S45H 率4.05
2004年：4勝3敗28S 防3.06
榊原諒（日）7年11勝6敗0S32H 率2.87
2010年：10勝1敗0S6H 防2.63
与田剛（中）7年8勝19敗59S 率4.58
1990年：4勝5敗31S 防3.26
水上由伸（西）5年5勝8敗2S 46H 率2.61
2022年：4勝4敗1S 31H 防1.77

　村上は野村克也がチームを追われた翌年に南海からデビュー、新星現るという印象だったが大成せず。森山は2年目に10勝を挙げたが、肘、肩を痛め通算14勝に終わった。三瀬は1年目に最多セーブ、2年目も18セーブを挙げるも以後は中継ぎになる。榊原は、2年目に救援投手として10勝、制球力の良い投手だったが、以後わずか1勝に終わった。与田は、NTT東京から89年1位で中日に、1年目に31セーブで最多セーブ、新人王。しかしこれがキャリアハイになった。

22年新人王が西武戦力外…大谷はどうだった？

　水上は22年の新人王だから、記憶に新しい。20年育成5位で入団し、翌年支配下に。そして22年には31ホールドで新人王。しかし以後、不振が続く。今年は二軍で好投するもオフに戦力外通告を受けた。

　このところNPB球団の選手の「見切り」が早くなった印象があるが、なまじ新人王のタイトルを獲得したために、それが重荷になって翌年以降、浮上できないケースもあるように思う。なお大谷翔平は新人の2013年に投手で3勝、打者として3本塁打したが、新人王投票では4票しか入らなかった。新人王は223票を獲得した則本昂大（楽）だった。

ルーキーイヤーの大谷　©Shigeki Yamamoto

　私見だが――新人王に関しては、成績優秀者が見当たらないのであれば「該当者なし」でもいいのではないかと思う。選手層が厚くなる中、一定のラインを設定すべきではないか。