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「考えるのは結局、あのことばっかり…」広島カープ・新井貴浩監督が憂う”前代未聞”薬物使用事件の衝撃「本当に申し訳ないという気持ちになる」

posted2026/09/24 17:02

 
「考えるのは結局、あのことばっかり…」広島カープ・新井貴浩監督が憂う”前代未聞”薬物使用事件の衝撃「本当に申し訳ないという気持ちになる」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

前代未聞の薬物使用事件について「本当に申し訳ない」と語った広島カープ・新井貴浩監督

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鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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JIJI PRESS

 今年1月に起きたチームを揺るがす前代未聞の事件は、今なお余波を生み続ける。その渦中に立つ指揮官の頭には、「ファンのために」という思いがある。希望の種は蒔いた。あとは花開くことを信じて、今日も歩んでいく。発売中のNumber1151・1152号に掲載の《連載:広島カープ「鼓動」》より内容を一部抜粋してお届けします。

新井貴浩監督が“歩く理由”

 8月上旬の晴れた日曜日、私は朝から新横浜へ向かっていた。新井貴浩に会うためだった。

 早めのお盆休みを過ごす人々でごった返す構内は真っすぐに歩くこともままならない。ようやく駅前通りに出ると、むせ返るような熱気がアスファルトの上に溜まっていた。のろのろと歩く私の脇を次々と人が追い越していく。いつもに比べて足が前に進まないのは、人混みのためでも、不快な暑さのためでもなかった。

 駅前のホテルから新井が出てきたのは午前10時過ぎだった。白いスポーツウェアに汗拭き用のタオルを首にかけている。

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「歩くのなんて、久しぶりだな」

 広島東洋カープの指揮官はそう言うと、湿気で白みがかった空を眩しそうに見上げた。

 これまでの多くのプロ野球監督がそうであったように、新井にも朝、散歩に出る習慣がある。私の知る限り、指揮官という立場にいる人が歩く理由は様々で、頭をまっさらにしたいからだという人がいれば、単に体調管理だという人もいた。いずれにしても、監督は毎日のように決断を迫られ、勝敗の責任を背負い、それでいてベンチではどんな時も泰然としていなければならない。だからこそ、静かに自分と向き合う朝が必要なのかもしれない。そして、新井の場合は頭を空っぽにするというより、むしろ考えるために歩くのだという。

「散歩していても、何をしていても、どうしても野球のことは浮かんでくる。消そうと思っても消せない。だから、考えながら歩いているかな。今日のオーダーをどう組むか、相手はどう出てくるか、そういうこと考えるのは苦じゃないから」

「考えるのは結局、あのことばっかり」

 四六時中、野球について考えていて息が詰まってしまわないのかとも思うが、むしろ、それがこの仕事をしている醍醐味なのだろう。

 だが、そんな新井が最近はほとんど散歩に出なくなったという。理由については私にも察しがついていた。

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