「クビって言われた翌日、妻が」「這い上がらないと」巨人戦力外の元新人王サブマリンや22歳阪神ドラ1も…トライアウト38選手の本音と全記録

　マツダスタジアムでの「12球団合同トライアウト」は、2017年以来8年ぶり。昨年までNPB主催で行われていたが、今年から一般社団法人日本プロ野球選手会の主催となり、スポンサーがついて「エイブル トライアウト2025～挑め、その先へ～」となった。

　出場選手のメンバー表が顔写真入りのカラーのパンフレットになり、場内アナウンスも変わった。

朝8時半からカープ勢への応援が

　朝8時半、報道陣や選手が受付をする中、早くも多くの観客が球場外周を取り巻いた。9時に開場すると、一斉にお客が入場する。

ADVERTISEMENT

「ケンティー！」

　広島の中村健人が打撃練習を始めると、観客席から大声援が上がる。少し遅れて、三塁側にこのトライアウトの最高齢選手、松山竜平が姿を現すと「松山さーん」と声が飛んだ。

©Kou Hiroo

　今年の出場者は、投手28人、野手11人が発表されたが、巨人のマレク・フルプが欠場。侍ジャパン対韓国戦の前哨戦として行われた韓国対チェコ戦で負傷したとのことだ。その代わりに試合運営をサポートする、社会人野球チーム伯和ビクトリーズの選手が打席に立った。また今回は捕手がいないので、捕手も伯和がサポートした。

　例年通り、投手は3人の打者と対戦。カウントは0-0から。打者は7～8人の投手と対戦した。時間を追って、38人の勝負と全記録を見ていこう。

　【投手成績】

　・竹内龍臣（茨城アストロプラネッツ、元中日）：鈴木蓮（DeNA）遊ゴロ/伯和ビクトリーズ選手　内野ゴロ/松山竜平（広島）右前打

　・宮森智志（楽天）：中村健人（広島）左飛 /松原聖弥（西武）空振り三振/山足達也（広島）中飛

　・中山晶量（日本ハム）：川原田純平（ソフトバンク）死球/韮澤雄也（広島）左飛/野口恭佑（阪神）三ゴロ

日本ハムの元クローザーを待っていた夫人と子供

　・石川直也（日本ハム）：宇草孔基（広島）一ゴロ/渡部健人（西武）左越本塁打/鈴木蓮　左飛

石川のピッチング　©Kou Hiroo

　石川は18年に19セーブ18ホールド、19年に5セーブ21ホールドと活躍したが20年8月にトミー・ジョン手術をしてからは不振。「プロ入りの時に1年でも長く野球をやりたいと思って入ったので、トライアウトを受けました。体は元気なので吉報を待ちたい」と語った。

　入り口で夫人と子供が待ち受け、ユニフォーム姿で子供を抱き上げていた。

【次ページ】　巨人戦力外の元新人王はファンにサインを