英記者が絶賛なぜ？「正直、度肝を抜かれた」拓真でも天心でもなく…29歳日本人ボクサー評価急上昇の理由「金を積まれても、戦いたいと思わないレベル」 

「ツボイは対戦探し相手に苦労する」

「クアドラスをあれほど簡単に片付けた今、誰を相手にしても“勝てない”とは軽々しく言えない。たとえば“バム”にKO負けしたフェルナンド・マルティネスがツボイに勝てると誰が断言できるだろう？　マルティネスは3年近く世界王者で、イオカ（井岡一翔）、ジェルウィン・アンカハスに2度ずつ勝っている選手だが、今のツボイとは対戦したがらないのではないか。どれだけ金を積んでも、あのダイナミックな選手と戦いたいとは思わないはずだ。ツボイはこれから対戦相手探しに苦労すると私は思っている」

©︎Hiroaki Finito Yamaguchi

　ともあれ、日本のボクシングファンはまた楽しみな選手がでてきたことをまずは喜ぶべきに違いない。マッチメイクは確かに容易ではないが、世界的なリスペクトを集める本田明彦会長以下、百戦錬磨の帝拳ジムには信頼がおける。今後も間違いなく相応の相手との対戦が組まれるはずで、軽量級の核になった“バム”との冒険ファイトは難しいにしても、拳四朗との日本人決戦は夢物語ではないのかもしれない。

　来年の今頃、坪井はどんな景色を見ているのか。グレイ氏が井上対那須川戦の後でも、坪井の話をしたくてたまらない様子だったのは象徴的だった。29歳の遅れてきたスーパールーキーが、こうやって世界中のボクシングファン、関係者を興奮させ続けることを願いたいところだ。

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