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「巨人ははっきり言って練習不足だよ」巨人OBが言及…阿部慎之助監督と“電撃退任”桑田真澄の“不仲説”「石井琢朗はガンガン練習させるタイプ」
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遠藤修哉Naoya Endo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/01 11:03
巨人・阿部慎之助監督(46歳)。2年目はリーグ3位に終わり、批判の声も
「今の巨人は、はっきり言って練習量が足りない。オレがキャンプを見に行った時も、アップが30~40分で終わって驚いたよ。他の球団は1時間以上かけてしっかり体を動かすのに。練習の効率も良くないし。二軍を見てもどこか“巨人軍の選手だから”という驕りが選手たちにあるように見える。そういうチームの体質を変えたいという慎之助の思いと、真澄の考え方が、完全には一致しなかったということだろうね」
「巨人らしからぬ人事」「琢朗はガンガンやらせる」
そんな中、来季の二軍監督として白羽の矢が立ったのが、今季までDeNAでコーチを務め、広島やヤクルトで数々の選手を育て上げた石井琢朗氏だ。武田氏は、この人事を「巨人らしからぬ人事で面白い」と評価する。
「琢朗は熱い男だし、練習もガンガンやらせるタイプ。慎之助とは指導者としての波長が合うんじゃないかな。彼が二軍で若手をビシバシ鍛え上げてくれれば、チームの底上げに繋がるはず。巨人は“選手の才能だけでやっているチーム”。今、そういうところを根本的に変えてくれる存在が必要なんだよ。オレも巨人にいたけど、巨人に入っただけで満足して、勘違いしているヤツが多い。ジャイアンツにあぐらをかいている。とくに一軍半みたいな選手にその傾向がある。他の球団に行ったら試合出れるの? って。そこがホークスとの決定的な違いだよ」
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そんな阿部監督だが、来シーズンは契約3年目の最後となる。ここまでの阿部監督を武田氏はどう見ているのだろうか。
「うーん、難しいな。リーグ優勝もしたし、決して落第点ではない。ただね、来年は3年契約の最後。もう監督として好きにやらせてもらいたいと思っているはず。人事を含めて、彼のやりたいことができる環境は整ったと思うよ。個人的には、優勝しようが負けようがスッパリと後進に道を譲る気もしているけど。だから思い切った勝負に出るんじゃないかな」
マスコミやファンから課される“常勝”という重圧、組閣人事、そして選手起用を含めた世代交代。様々な課題を乗り越え、阿部慎之助は名将となることができるのか。来季、3年目のシーズンがその真価を問うことになる。

