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「巨人ははっきり言って練習不足だよ」巨人OBが言及…阿部慎之助監督と“電撃退任”桑田真澄の“不仲説”「石井琢朗はガンガン練習させるタイプ」
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遠藤修哉Naoya Endo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/01 11:03
巨人・阿部慎之助監督(46歳)。2年目はリーグ3位に終わり、批判の声も
「野手だってそう。岡本和真の怪我が本当に痛かった。5月に彼が抜けてから8月に復帰するまで、打線は完全に点を取る力を失ってしまった。一人の中軸が抜けただけでチームがガタガタになってしまうのは、結局のところチーム全体の“層の薄さ”。日本一になったホークスは主力の近藤健介、柳田悠岐が抜ければそこを埋める柳町達、川瀬晃、牧原大成などが出てきて活躍する。いっぽうの巨人には岡本の穴を埋める選手が出てこなかった。その層っていうのは編成を含めたチーム力。これは慎之助一人の責任じゃない」
采配を振るう以前に、戦うための戦力が整っていなかった。その上で、監督としての“根本のスタンス“について、こう語る。
「彼はね、自分で背負い込もうとする。もっとコーチに任せるところは任せて、自分はドシっと構えていればいい。メディアの前でも、いろいろ喋らなくていいんですよ。コーチに喋らせればいい。そうすれば、余計な批判を浴びることもないんだから」
なぜ桑田真澄は“電撃退任”したのか?
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2年目のシーズン終了後、球界を驚かせたのが桑田真澄・二軍監督の電撃退任だった。阿部監督との“不和説”も囁かれる中、武田氏はその背景を「指導者としての哲学の違い」と語る。
「慎之助や工藤公康さんら僕らの世代は、とにかく練習量をこなして、振り込んで、投げ込んで技術を身につけてきた野球人。工藤さんなんか科学的なスタンスも熟知しているのにもかかわらず『打てなかったら、投げれなかったら練習してつかめよ』っていうのが基本スタンス。一方で、真澄は科学的かつ、効率的な練習を重視するタイプ。どちらが正しいという話ではなく、単純に考え方が違う。その違いが、少しずつ溝になっていったのかもしれないね」
この「練習量」に対する考え方の違いは、チームの根幹に関わる問題だと武田氏は指摘する。

