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「ごめん、指輪がないんだ」ポーランド人の妻についた“小さな嘘”…フェンシング松山恭助28歳が準備した最高のプロポーズ「彼女の家族に代わって守っていく」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byHirofumi Kamaya
posted2025/11/22 11:01
今夏に結婚を発表した松山恭助(28歳)
「見ての通り、ものすごく美しいですし、内面も成熟している。ただ彼女の一番の魅力は、本音をぶつけ合って、違いがあったとしても僕の立場や視点で考えてくれるところ。そういう関係性を築いて、寄り添い合えることが素晴らしいところで、一緒にいると安心できる。日本にいるからといって日本の文化に合わせすぎる必要はないので、日本とポーランドのいいところをミックスしていければいいのかな、って」
アレクサンドラさんの家は母子家庭だった。一人娘を遠く離れた日本に嫁がせる不安はあったはずだ。それでも、交際を始めた昨年にアレクサンドラさんの実家を訪ねると、松山のことを笑顔で歓迎してくれた。祖父や親戚も紹介され、皆が皆、笑顔で結婚を祝福してくれる光景に、改めて決意が芽生えた。
「彼女と日本で暮らす。彼女の家族に代わって彼女を守っていく責任もありますし、幸せにしないといけないと強く思いました」
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彼女の希望はすべて叶えてあげたい。照れることなく堂々と晴れやかな表情で語る。ただ、懸念が一つ。
「結婚式を来年できたらいいねという話をしているんです。彼女は記念日を大切にする人なので、入籍した日にしたいと言っているのですが、日本の8月なので。『相当暑いよ』とずっと言い続けているんです(笑)」〈第3回に続く〉


