侍ジャパンの“予行演習”にMLB審判員がポツリ「日本人はまじめ」日韓戦“ピッチクロック狂騒曲”の舞台裏とWBCに持ち越した「本当の課題」 

　そのために、わざわざMLBから2人の審判員とピッチクロックの肝であるタイムカウントのオペレーターを招いていた。ルールといえど、運用するのは人間。実際に気づいたことは少なくなかった。

　例えば走者がいないときにフライを捕球した外野手は、捕った流れで内野手にボールを渡す。するとそのタイミングで時間が動き出すから、守備位置に戻る外野手も、次打者を迎え、サイン交換するバッテリーもあわてることがあった。打席でのルーティーンが多い打者は構え遅れるし、投げた後に数歩捕手に歩み寄る癖のある投手は、当然数秒をロスしてしまう。

容赦無くピッチクロックが動き出す　©Nanae Suzuki

平良のタイムオーバーも実は…

「でも宮崎での合宿より、投手も捕手の余裕が出てきたと思います。絶対に時間を守らなきゃいけないってなるより、慣れるのが今回の目的ですから。ああ、これくらいサイン交換に時間がかかればタイムオーバーになっちゃうんだとか、感覚がわかってくれればいいかなと」

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　井端監督は時間に追われてはいけないと伝えてきた。打者にも1打席で1回はタイムが認められており、第1戦は韓国選手がうまく使っていたが、第2戦では日本の打者もタイムを活用できていた。

タイムオーバーを取られた平良に言葉をかける若月　©Nanae Suzuki

　タイムオーバーは第1戦での平良海馬（西武）の1球のみ。しかし、平良はルールのない今シーズンの投球で、合宿参加組の中では最もテンポが速いというデータが出ていた。本人が「（宮崎での）実戦で、意外と時間があったので、気にせずにサインを交換してみた」と説明した。つまり、あえてやってみたという結果だった。

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