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侍ジャパンの“予行演習”にMLB審判員がポツリ「日本人はまじめ」日韓戦“ピッチクロック狂騒曲”の舞台裏とWBCに持ち越した「本当の課題」
posted2025/11/19 11:02
ピッチコムを操作する捕手の坂本(阪神)
text by

小西斗真Toma Konishi
photograph by
Nanae Suzuki
井端弘和監督率いる侍ジャパンは、11月6日から12日まで宮崎市で合宿を行い、15、16日には東京ドームで韓国代表との強化試合を戦った。2015年を最後にプロが出場した国際大会では9連勝中の宿敵に、1勝1分けと敗れることはなかったが、4本塁打を浴びるなど往年の韓国チームを彷彿させるパワーを見せつけられた。
最大のテーマだった「ルールへの適応」
井端ジャパンの最終目的地は、来年3月に開催されるWBCだ。2大会連続4度目の世界一へ、国内組の候補者を集めた最大のテーマがある。それが井端監督が何度も口にした「日本にはないルールへの適応」。すなわちピッチクロック、ピッチコム、拡大ベースのことだ。
ピッチクロックは投手がボールを受け取ってから、走者なしなら15秒、ありなら18秒以内に投球しなければならない。タイムオーバーはボールとしてカウントされる。打者にも罰則があり、残り8秒で準備(構える)ができていなければストライクとなる。
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従来通りの指でのサイン交換をしていては、時間が経過してしまうため、サイン伝達用に導入されたのがピッチコム。捕手が左手や右膝などに送信機をつけ、投手はイヤホンで受信する。もちろん送受信は逆でもかまわないが、受信機は複数用意されており、けん制などサインプレーにからむことが多い二塁手、遊撃手なども装着するのが一般的だ。
審判員とオペレーターを招いて…
MLBはもちろん、KBO(韓国)、CPBL(台湾)でも導入されており、WBCの優勝をねらう強豪国のほとんどの選手は適応済みだ。要するに日本は「ピッチクロック後進国」であり、大会としては初めて採用される次回WBCに向けて、予習をやりましょうという趣旨というわけだ。

