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大阪桐蔭で全国制覇&日本代表で最優秀投手→まさかのドラフト“2度目の指名漏れ”の衝撃 涙の元エースの現在地「もうひと皮剥けないと…」

posted2025/11/18 11:02

 
大阪桐蔭で全国制覇&日本代表で最優秀投手→まさかのドラフト“2度目の指名漏れ”の衝撃 涙の元エースの現在地「もうひと皮剥けないと…」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2022年の春のセンバツを大阪桐蔭のエースとして制した川原嗣貴。高3時のドラフトでは指名漏れとなり、社会人野球のHonda鈴鹿へ

text by

沢井史

沢井史Fumi Sawai

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Nanae Suzuki

 今年も多くのドラマを生んだプロ野球ドラフト会議。指名された顔ぶれに注目が集まる一方で、毎年必ず話題となるのが惜しくも“指名漏れ”となった選手たちだ。かつて大阪の超名門校で全国制覇を果たしたエースも2度目の苦難に直面した。果たしてその胸中はどんなものだったのだろうか。〈NumberWebインタビュー全2回の前編/後編も公開中〉

「今年も(自分の指名は)ないな」

 10月23日のドラフト会議。控室で中継を見守っていた川原嗣貴(Honda鈴鹿)は、4巡目を過ぎたあたりから自分の行く末を感じ取っていた。

「今年も(自分の指名は)ないなって思いました。まぁ、今年は世間ではドラフト候補って言われていましたけれど、自分は社会人になってプロに行けるような結果を残していないですし」

 その悪い予感は、結果的に的中することになる。川原の名前は、最後まで呼ばれることはなかった。

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 高校野球の超名門・大阪桐蔭高を卒業後、Honda鈴鹿に入社し今年で3年目になる。

 ドラフト解禁年となり、ドラフト会議が近づくと新聞記事などで川原の名を何度か目にしていたが、川原は冷静に自己を見つめていた。

「今までの成績ではプロに行くのは厳しい。もうひと皮剥けないとないなと思いました。それは自分が一番分かっていますし、周りからもそういう声がたくさんありました。耳が痛くなるほど何度も同じことを言われましたし、厳しい言葉もありました。それも自分の責任だとしっかり受け止めて、それを糧にするしかない。そう思ってずっとやってきたんですけど……」

【次ページ】 高3時のドラフトは「指名漏れ」…涙を流す場面も

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