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野球のぼせもんBACK NUMBER
ドラフト1位が“わずか4年”で戦力外の衝撃…ソフトバンク風間球打22歳に何があったのか? 本人明かす“後悔”「あの決断が選択ミスだった」森木大智への思いも
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2025/11/18 11:00
4年前、ソフトバンクからドラフト1位指名を受けた風間球打
「(森木に共感する部分は)もちろんありますね。彼がどう思うか分からないですが、僕は苦しんできた4年間だった。大智もちょっと苦しんでるなって。本当は自分の全力を出したいのに、なんか出ないんです。頭の中でイメージはあるんですけど、実際投げたらなんか違うっていうのが僕の中ではあった。大智も一緒なのかなと思って見てました」
2人のトライアウト…その内容
ドラフト1位指名から4年後の秋に迎えたトライアウトのマウンド。
森木は149キロの直球をいきなり投げ込んだ。さらに戦力外通告後に練習したというツーシームも投げた。打者3人に対して1安打1四球という結果ではあったものの「シーズン中とは違う姿を見せられた」と納得した表情を浮かべていた。ネット裏で取材を進めると、後日メジャー球団のスカウトの前で投球を披露する機会があるとの話も耳に入ってきた。「世界一のピッチャーになる」というのが森木の目標である。夢の続きは、果たして――。
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そして風間は、森木よりも先にマウンドに上がっていた。
初球は前広島の韮澤雄也に対して140キロの直球。オール直球勝負で最後は二ゴロに抑えた。続く前阪神の野口恭佑にはカウント3ボール0ストライクとしてしまうが、4球目の143キロで遊ゴロに打ち取った。ラスト3人目は前ソフトバンクの川原田純平である。「身近な存在で力んでしまった」と直球がワンバウンドした場面もあった。ロジンバッグを拾い、それから帽子に手をやって呼吸を整える。落ち着け、落ち着け。そんな声が聞こえてきそうだった。だがしかし、結局ストレートの四球を与えてしまった。
打者3人に対して無安打1四球。ただ森木に比べれば、アピールという点ではやや物足りなく映った。
最速143キロ。
ソフトバンクで苦しんだ4年間が、その数字に映し出されているようにすら思えた。
高3で157キロ…風間球打に何が?
プロ1年目の春先に右肘と右膝を痛めてリハビリに。その躓きがある意味、すべてを狂わせた。

